長い時間と嫌なこと

温泉街にある昭和な喫茶店に行った。
一度だけ来たことがあってパフェがなかなか素敵だったけど昼飯をたべたかったので

喫煙可だけどだれもいないしと思ってたけど後からどんどん人が入ってきた
周囲の会話が気になるならないの違いは天井の高さと部屋の広さかな
という話と全く関係なく、
世間に出て行けば嫌な気持ちに疲れて帰ってくることもある。今日もそんなでも
一時でもそれを忘れていられる時間があるのは幸せ
https://www.youtube.com/watch?v=nqEk73LvnzQ
この曲、もう何時頃かも思い出せないくらい昔からとても好きで前半だけ毎日弾い・・と書けば弾けた人みたいだけど
ピアノも電子ピアノもなくて61鍵のキーボードにペダルをつないだようなのでヘッドホンをして部屋に引きこもり誰に聴かせるわけでもなく
我流で楽譜を見ながら弾くなんてできないので耳と指の感覚と鍵盤上の指の配置を画像的に覚えていく
運指もへったくれもなくアクロバットみたいな指使いとか
世間的には弾けてると言えるものでなかったかもしれないけど、その間嫌なことは忘れていられた気がする。
ちょうどあのころみたいなこれから外へ出てゆく10代後半の心の内じゃないかと思う中間部をやらなかったのは難しかったからか、そもそもあのころ中間部が何を言ってるのかよくわからなかった
自分も自分が何なのかわからずどこへも出て行かなかった。
その30年後、まさか同じ楽譜をもってレッスンを受けに行くことになるとは夢にも思わなかった
もう、ずっとやらないから何もかも忘れてしまってできないと思う。
指で覚えこむ方式はだめだと思ってるので忘れていいし昔弾いたなんて誰にも言わない。話の都合上書いてるけど

前の曲で覚えた超低速で弾きながら読んでいく法で・・確かにすべて忘れてしまっていてなにもない。それよりなんだこれ左が難しいよ
雲のように形を変え新しい和音が生まれ続ける左手が読みづらくあれ俺ほんとにこれやったのかな?
これ俺やれんのかなみたいなところから
やってると無意識に指が次を探しに行く瞬間があってあっ覚えてるのか思い出したのか?と思うんだけどもう一度やってみるとできず。
あっまた。
楽譜を見てないのに指が勝手に形を作り曲になったところで自分で驚いた。
覚えてるとかじゃなく誰かが入ってきて勝手に指を動かしたような。
まだガタガタだしダメだと思ってる指で機械的に覚える法が蔓延し始めてまずいけど、
なんとなくできるかもという微かに気がして
今日のところはいいか

曇ってて絵にならないけど喫茶店のそばで桜が咲いてた。
場所柄都会から来ました系の外人が小さな子供を遊ばせてるのをみていて
始めてきたと思ったこの場所に昔来たことがあることに気付いた。
40年くらい前ここには全然違うものがあった。
練習してたら昔あの曲を弾いたある日の記憶が昨日のように鮮明に出てきて頭の中に繰り返し流れ始める。その日晒し物になった記憶までいっしょに。
嫌なこと忘れてないじゃない。
さすがに30年も経てばもう干からびちゃって毒も臭いもないけれど。
この曲ほんとに泣けるのは後半。
今度は、ちゃんと全部弾けるようになりたいと思います。
Comment