自分で感じる マーラー交響曲第9番 2 構造も見てみようよ


こんなもん書いてなにやってんだという感じですが、マラ9の第1楽章がどうなっているのかを考えるときに曲の構造を引いてみるとわかりやすいので・・
横方向が時間軸・・各ブロックの幅は小節数を示します。
0は序奏、1が第1主題、2が第2主題・・
この楽章、ものすごく複雑な内容を持っていますが、かなりきっちりとしたソナタ形式になっていることも強く感じます。
各部の頭に象徴的なリズム主題が出てきて・・・6番の終楽章を思い起こさせますよね。
まだ自筆譜を見たことがないのですが、提示部の終わりにリピートをつけようとしてやめた形跡があると何かで読んだことがあります。作者はソナタ形式的を強く意識していたんですよね・・
その提示部は2つの主題を一度提示するだけでは終わらず、それぞれについて再提示があります。再提示ではすでに展開も始まっていてその内容がさらに以降で展開されてゆくという・・大変複雑な内容となっています。
第1主題再提示部は第2バイオリンに

こんな旋律が登場してこれもこの後何度も出てきますね。
第2主題は

最初のこれ(2A)と

最後のこれ(2B)それぞれが重要な意味を持ってその後展開しますが、
再提示部は2Aが始まったと見せかけて2Bをベースにした新しい展開みたいなものが覆いかぶさるように押し寄せるという・・・そのうねりの中からこの

第1交響曲からの愛の叫び!みたいなものが生まれています。これは重要というかこの曲の一つの要になっていきます・・
この流れそのものみたいなものも要素となって展開されていくという・・
まだ提示部なのに普通の曲の展開部くらいまでやっちゃっるんですよね。
これをリピートしようとしてたのか・・・
リピートするということは聴き手に対して
「ここにあるものは重要だからよく聞いて覚えてください。その後はこれを踏まえて進みます・・」
ということでしょう・・
大事なんだよここにあるすべてが・・

この楽章、人生を狂わすような負の衝撃が何度か襲っていると思います。
6番のハンマー級のすごいのが2回(赤い線のところ)
ハンマーは落ちないけど、明らかにネガティブな何かが登場しているところ(ピンクの線)があります。
場所は違うにしろ6番のフィナーレといろいろ似ていると思うんですよね。。
ポジティブなものが盛り上がって爆発しそうになると負の杭が撃ち込まれる・・
ずっと順風満帆で行ける人もいるのかもしれませんが、これは誰でも経験する人生そのものみたいですよね・・・

最初の衝撃・・不安な予感が2小節あって3小節目の頭・・
ここはみんな大事だと思っていてティンパニの低いDが衝撃的に響く演奏が多いですね。
同時に第2主題が始まります。
これだけを見ると第2主題は負の何かを表現しているようにも見えますが・・・
続きはまた・・・
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