暗雲の正体

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マーラー交響曲第1番の第1楽章、明るく爽やかな音楽と見せかけて暗雲が立ち込めてますよの続き。
序奏が終わると明るい日差しのもと美しい野を歩いた・・みたいな音楽が提示されます。
ここだけ聴いていると本当に明るく幸せな音楽ですね。
同じ音楽が別な歌曲の中にも存在します。ほぼ同時に作曲されているそちらの歌曲も聞くとこの交響曲に描かれている世界、人間、何が起こっているのか・・が読めてくるという・・
おもしろいですがあんまりこだわりすぎてると狭く凝り固まった範囲内で曲を聴くことになってしまい危険だとも思ったりして。


この曲は交響詩として発想され、改訂を重ねながらそれを交響曲というフォーマットでまとめることを考えていったようです。
交響曲という形の中で大きな何かを表現しようという作曲家マーラーの誕生なわけです。
交響曲の第1楽章ということでソナタ形式感を明確に打ち出すべく?提示部にリピートが追加されました。
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後付けなので提示部が終わるところの繰り返しを歌いだすチェロの記述が何だかいかにも後付けです。
提示部はいくつかの要素が提示されますが、明確に第1主題、第2主題という感じではなくて連続する一つの歌みたいなイメージですよね・・
私はリピートをしないワルターのCDでこの曲の洗礼を受けたので今でもリピートに違和感を感じるようになってしまいました。

提示部が終わると再び序奏の朝霧が戻ってきます。
弦楽器の霧が一小節ずつ高い音へ登っていくんですが、各パートタイミングをずらしながら徐々に徐々に上っていくんですよね。
ぼかされているんだからぼけっと聴いとけばいいんしょうけどその変化を聞き取ろうとしてしまう癖があるんですよね。
オーディオとか言ってるとそうなっちゃうのかな。

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鳥が鳴いていたりするんですが・・
先ほどまで楽しく歌ってたあの旋律がチェロに出てきて・・・何だか不穏な空気感です・・

で13から不穏な空気そのもののテューバ登場です。
その前にヴァイオリンの霧がひそかにオクターブ下がっているんですがふと気が付くと急に暗くなってたみたいなすごい効果が出てると思います。・・・
またここでppで鳴らされるバスドラがラップ音みたいじゃないですか・・お寺の裏で鳴ったりするやつ・・・聞いたことないけど・・
欄外に”テューバ奏者がこの低い音をpppで吹けなければコントラファゴットに吹かせること”みたいなことが書いてあります。
そんなこと言われたら奏者は意地でもやりますよねきっと。それよりこの伸ばし長いんですよね。ブレスどうするんだろう?
2人いる楽器だとひそかに継いでとかできるんでしょうけど、テューバが二人というのはないですもんね。
外人だといけるのか?

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4楽章第1主題から来ているあれが早速出てきます。
今度はハープに・・・
この曲を初めて聴いたころ、ハープといえば天使みたいなひとが天上の音楽をというイメージがあったのですがここは低音で怪しく・・
結構インパクトがあった。
ここはまだ意味不明なんですが一歩進んでアウフタクト(前の小節に一つ音があります)から始まっています。

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その次、アウフタクトは無くなっちゃうんですが、三連符が8分音符2つになっている・・・これは

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4楽章、心の嵐の主題なんです。
やっと正体を現すみたいな・・

Tag:マーラー交響曲第1番  Trackback:0 comment:0 

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