パリ版

今もあるのかわかりませんが、昔NHKをみていると”名曲アルバム”とか言って短い時間クラシックの名曲を流す番組があった。
ボケっと見ていると聞いたことがあり、とてつもなくかっこいい音楽が流れている・・
背景にはノイシュバンシュタイン城(ちがったかも)・・・
多分字幕を見てこれがワーグナーのタンホイザー序曲だと知った・・
かなりカットされている短縮版だったと思う。
でも聴きなれない人間にはそんなことはわからないし当時はまだよくわからず長いと嫌気がさしてくるのでちょうどよかったと思う。
ヴェーヌスベルクの音楽の嵐の波みたいなものがそのまま持続しているその上に巡礼の合唱が歌われ拡大していくその様に・・打ちのめされるくらい感動した・・・
単純で馬鹿みたいだけどバックのお城の画像がマッチしていてそのまんま感動してしまったのだ・・
さぁ、覚えたこの曲を聴きたい・・
お金もなかったのでCDを変えるチャンスはだいぶたってからやってくる・・ちょうど名前を知って興味のあったワルターコロンビア響のCDがまとめて再発売された所だった。
何度も思い出話をして本当に老人みたいだけど当時は小さな駅ビルの小さなレコード屋にもクラシックコーナーがしっかりあった。
末期みたいに隅の方に恥ずかしい感じでというのではなくて結構でかく・・
ワルター不滅の何とかシリーズ!とかいって女性の店員が作ったと思われるデコレーションに囲まれていた。
今この盤は、マックルーア盤とか言われていて、音質の面などから知っている人は知っている(当たり前か)盤です。
買ってきてさっそく聴いた・・記憶にあるのより・・ちょっとテンポ遅いかな・・なんて思いながら・・
ヴェーヌスベルクの音楽を聴きながらワクワクしてあの巡礼の合唱の再現を待つ・・・
なんかなかなか出てこないなぁ・・こんな長かったけ?・・・
あれ?なんて思っているとなぜか合唱が出てくる・・・
合唱?えー?
そうしているうちに何と曲は終わてしまった・・・
だまされたとまでは思わないけど、聴きたくてしょうがなかったあの部分がないことに落胆して解説を読んだ・・
パリ版・・・?
へー、そういうのがあるんだ・・・
当時はネットもWikipediaもない、興味のあることをどうやって調べてたんだっけ?
タンホイザーの解説を読んでいたらヴェーヌスベルクはポルノ世界みたいな話で衝撃を受けた。
中学生だったからみんなに言いふらしたけどあまり相手にされなかった。
これも30年前。

テンポが速いので長くなりますが、通常版?
ヴェーヌスベルクの音楽の嵐の波みたいなものがそのまま持続しているその上に巡礼の合唱が歌われ・・
この先のトロンボーンが出てきて倍の長さに拡大されたコラールが歌われる部分が感動的なんですよね・・・
通常版、いいですね・・

パリ版の同じものが聞こえるあたり・・ホルンとクラリネットが合唱を・・とはならずにさらに高揚していく・・
実際はこのかなり手前からヴェーヌスベルクの音楽が拡大されて演奏されてきています。。
パリ版、これもいいよね。
最終的には同じところに到達するんだと思いますが、音楽の味付け、濃厚さなど結構違います。
拍子も違うし音もよく見ると若干違う。

通常版

パリ版
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