奥行き
同じようなことを何度か書いてるんですが、また書きたくなっちゃって。
こいつなんか嬉しそうに訳のわかんないこと言ってんなと思っていただけたら嬉しいです。

先日オーディオの話で奥行き表現なんて書きまして・・
人間の耳は体の左右についていますので、入ってくる音は微妙にそのタイミング、音量、周波数などがずれるんですね。そのずれから計算して音源への距離や方向を知る機能を人間は持ってます。
出来なきゃ天敵が来てもどっちに逃げればいいかわからないし、食べ物も違う方へ逃げていっちゃうんだから生きるために得た機能なわけだ。
せっかくそれができるんだから録音なんかでも同じように楽器の位置がわかったりしたら面白いじゃないですか?
そうでもないですか。

これシェヘラザードなんですけど、最初は第2バイオリンのうち6人が弾いている旋律が途中から第1ヴァイオリンの6人に引き継がれます。
音楽的な区切りでこれとても大事なとこだと思うんですよね。
同じ6人ずつのヴァイオリンなのでぼーっと音だけ聴いてると同じ人たちがただ弾き続けたようにも聞こえてしまいます。それは音楽を楽譜通りに聴けていないということなのかなと思うんですよね私は。
(実際わざと音色や表情に差を付けて弾いたりするかもしれないけど今はそれは置いといて)
実際に聴きに行くとそれぞれ6人ずつの弓が動いているのが見えます。スイッチを切り替えたように弓の動いている場所が切り替わる・・
目で音楽を感じるんですね。
目を閉じて腕を組み、音楽に集中する・・という人もいるでしょう。
でも私は狂ったように全部見てやるわ!くらいな気持ちで聴いてます。目で聴くもの音楽を聴くということだと思ってるから。

青線で囲ったところが第1ヴァイオリンで緑で囲ったところは第2ヴァイオリンなんです。
第2は第1の横じゃなくて後ろというか奥にいるんですよね。
で、オーディオに興味のない人でもテレビなんか見ていてなんとなく音に位置情報があるのを感じたことがあると思います。
凝ったオーディオなんかじゃなくてテレビでもヴァイオリンは左のほう、コントラバスは右のほうから・・と感じられると思います。
興味のある人はテレビの真正面に座って聴いてみてください。
複数のマイクで位相差をもって拾った音を複数のスピーカーで位相差をつけて再生すると、耳がそれをとらえて・・みたいな仕組みがあるんですね。
映画などで人工的なエフェクトをかけたものを複数のスピーカーで・・というのとは少し違います。
この辺りの精度を上げて、部屋の壁の反射音が情報を乱すとかなんとかそういうことまで含めて追及していくと驚くほど細かくてはっきりとした音の位置情報が聞きとれるようになるんですよ。
いろいろ難しいですが奥行き方向もわかるようになります。
第2ヴァイオリンは第1ヴァイオリンの奥から聞こえますし、その奥オレンジので囲んだところにはホルン。その右側には木管がいます。手前にフルート・ピッコロ、その奥にクラリネットとか・・
大太鼓やティンパニはさらにその奥から聞こえます。
合唱がいればさらに奥から・・・
これがうまくいくと音が目に見えているかのような感覚が得られます。
体験しないとなかなかイメージできないものかもしれません。
二つのスピーカーの間に上の写真のような光景が出現して見えるんですよね。
大事なのはここで音が見えると感じたとき、実演の「目で聴く」ができたと感じるんですよ。
これは私にはとても尊いとこなんです。
オーディオにこだわるのは単なる仕組みと結果に萌えるんじゃなくて音楽を余すことなく聞くということに必要不可欠だからなんです。
ここでも、音楽と工学の融合・・みたいなものを感じるんですよね。
音が見える・・がうまくいっていると感じられるとうれしいんですよ・・生きててよかったとか思うくらい。
位置情報、横方向に比べると奥行き方向がきちんと見えるようにするのはすごくハードルが高いんですよね。
だから奥行き萌えなんです。
部屋の状況などもあるんだと思いますがうちの場合、ステージ端のほうの楽器の位置表現が難しい。
ネット上でよくセンター定位とかいっていますがそこは一番簡単ですぐにあってくる。
左右スピーカーの外側にも音が広がり・・というのを見ますが、、私にとってはそれは大問題なNG状況です。
写真でいうとステージの外側、壁の外でも演奏しているようなありえない状況で、悲しい気分になります。
部屋の壁の反射音に音が引っ張られたり、そもそも入力される信号の精度が低かったりするとそうなります。
最近は良くなったんですがホルンが外へ行っちゃう盤があって困ってたんですよね。
コントラバスも右の壁に張り付いたりしてた・・

チェロとヴィオラ萌えというのもあるんですよね。
重なってごちゃごちゃに聞こえると悲しい・・
チェロとコントラバス萌えというのもあります。
一番最低なのは、スピーカーから音が聞こえてしまうこと。
これはとてもかなしい・・夢から覚めたみたいです。
理想的な状態になるとスピーカーはただおいてあるだけでそこからは一切音が出ていないように感じられます。
むかしマニアが集まる掲示板をみていたら誰かが「音が見える」といった。
うんうん言って喜んでいると、自称一流マニアみたいなのが出てきて
「こんなポエムを言うような奴は・・・」と言って馬鹿にし始めました。
体験したことないとそうなっちゃうんだろうな。
誰だか知らないその人にもこの喜びを知ってほしいけど・・
こんなお話に
お付き合いいただきましてありがとうございました。
こいつなんか嬉しそうに訳のわかんないこと言ってんなと思っていただけたら嬉しいです。

先日オーディオの話で奥行き表現なんて書きまして・・
人間の耳は体の左右についていますので、入ってくる音は微妙にそのタイミング、音量、周波数などがずれるんですね。そのずれから計算して音源への距離や方向を知る機能を人間は持ってます。
出来なきゃ天敵が来てもどっちに逃げればいいかわからないし、食べ物も違う方へ逃げていっちゃうんだから生きるために得た機能なわけだ。
せっかくそれができるんだから録音なんかでも同じように楽器の位置がわかったりしたら面白いじゃないですか?
そうでもないですか。

これシェヘラザードなんですけど、最初は第2バイオリンのうち6人が弾いている旋律が途中から第1ヴァイオリンの6人に引き継がれます。
音楽的な区切りでこれとても大事なとこだと思うんですよね。
同じ6人ずつのヴァイオリンなのでぼーっと音だけ聴いてると同じ人たちがただ弾き続けたようにも聞こえてしまいます。それは音楽を楽譜通りに聴けていないということなのかなと思うんですよね私は。
(実際わざと音色や表情に差を付けて弾いたりするかもしれないけど今はそれは置いといて)
実際に聴きに行くとそれぞれ6人ずつの弓が動いているのが見えます。スイッチを切り替えたように弓の動いている場所が切り替わる・・
目で音楽を感じるんですね。
目を閉じて腕を組み、音楽に集中する・・という人もいるでしょう。
でも私は狂ったように全部見てやるわ!くらいな気持ちで聴いてます。目で聴くもの音楽を聴くということだと思ってるから。

青線で囲ったところが第1ヴァイオリンで緑で囲ったところは第2ヴァイオリンなんです。
第2は第1の横じゃなくて後ろというか奥にいるんですよね。
で、オーディオに興味のない人でもテレビなんか見ていてなんとなく音に位置情報があるのを感じたことがあると思います。
凝ったオーディオなんかじゃなくてテレビでもヴァイオリンは左のほう、コントラバスは右のほうから・・と感じられると思います。
興味のある人はテレビの真正面に座って聴いてみてください。
複数のマイクで位相差をもって拾った音を複数のスピーカーで位相差をつけて再生すると、耳がそれをとらえて・・みたいな仕組みがあるんですね。
映画などで人工的なエフェクトをかけたものを複数のスピーカーで・・というのとは少し違います。
この辺りの精度を上げて、部屋の壁の反射音が情報を乱すとかなんとかそういうことまで含めて追及していくと驚くほど細かくてはっきりとした音の位置情報が聞きとれるようになるんですよ。
いろいろ難しいですが奥行き方向もわかるようになります。
第2ヴァイオリンは第1ヴァイオリンの奥から聞こえますし、その奥オレンジので囲んだところにはホルン。その右側には木管がいます。手前にフルート・ピッコロ、その奥にクラリネットとか・・
大太鼓やティンパニはさらにその奥から聞こえます。
合唱がいればさらに奥から・・・
これがうまくいくと音が目に見えているかのような感覚が得られます。
体験しないとなかなかイメージできないものかもしれません。
二つのスピーカーの間に上の写真のような光景が出現して見えるんですよね。
大事なのはここで音が見えると感じたとき、実演の「目で聴く」ができたと感じるんですよ。
これは私にはとても尊いとこなんです。
オーディオにこだわるのは単なる仕組みと結果に萌えるんじゃなくて音楽を余すことなく聞くということに必要不可欠だからなんです。
ここでも、音楽と工学の融合・・みたいなものを感じるんですよね。
音が見える・・がうまくいっていると感じられるとうれしいんですよ・・生きててよかったとか思うくらい。
位置情報、横方向に比べると奥行き方向がきちんと見えるようにするのはすごくハードルが高いんですよね。
だから奥行き萌えなんです。
部屋の状況などもあるんだと思いますがうちの場合、ステージ端のほうの楽器の位置表現が難しい。
ネット上でよくセンター定位とかいっていますがそこは一番簡単ですぐにあってくる。
左右スピーカーの外側にも音が広がり・・というのを見ますが、、私にとってはそれは大問題なNG状況です。
写真でいうとステージの外側、壁の外でも演奏しているようなありえない状況で、悲しい気分になります。
部屋の壁の反射音に音が引っ張られたり、そもそも入力される信号の精度が低かったりするとそうなります。
最近は良くなったんですがホルンが外へ行っちゃう盤があって困ってたんですよね。
コントラバスも右の壁に張り付いたりしてた・・

チェロとヴィオラ萌えというのもあるんですよね。
重なってごちゃごちゃに聞こえると悲しい・・
チェロとコントラバス萌えというのもあります。
一番最低なのは、スピーカーから音が聞こえてしまうこと。
これはとてもかなしい・・夢から覚めたみたいです。
理想的な状態になるとスピーカーはただおいてあるだけでそこからは一切音が出ていないように感じられます。
むかしマニアが集まる掲示板をみていたら誰かが「音が見える」といった。
うんうん言って喜んでいると、自称一流マニアみたいなのが出てきて
「こんなポエムを言うような奴は・・・」と言って馬鹿にし始めました。
体験したことないとそうなっちゃうんだろうな。
誰だか知らないその人にもこの喜びを知ってほしいけど・・
こんなお話に
お付き合いいただきましてありがとうございました。
Comment
unagiさん、こんばんは。
デュトワ/モントリオール響の「シェヘラザード」、確かにこの部分で第2ヴァイオリンから第1ヴァイオリンに受け渡されているのわかりました。でも、こうして楽譜とともにunagiさんに解説されなかったら気付かなかったかも。
うちは左スピーカーの後方に隣の部屋とつながるドアがあって、吸音もできないんです。どうしてもモヤモヤしている感じが。。気のせいかもしれませんが(笑)。
ばけぺんさん、こんばんは
いつもありがとうございます。
デュトワMSOの録音は、音が見えるように聴き手に伝えるんだ・・みたいな意志を感じる気がしてます。
自分も偉そうに言ってみましたけど楽譜見ないといろいろ気づかないですよね。
今度は楽譜を見るとクラシックの作曲家はみんなオーディオのステレオ再生を意識して書いたのかな?(なわけないです) なんて思わせる仕掛けがたくさんあって・・楽しい世界が広がってます。
うちも絵やがめちゃくちゃ狭いのでグラスウールをはじめ怪しく高価な布とかいろいろ買ってきてかべに貼りました・・
みな失敗で・・
難しいですよね・・・
ばけぺんさんも記事にされていたグライコ?も一時憧れました・・
意外にもディスク再生をmpdにしたところ温蔵が壁に引っ張られる現象がなくなってくれて今はそこで落ち着いています。
なので部屋の対策というのは何もできていないんです・・
ありがとうございました。
こんにちは
オーディオ店でオーケストラがかかっているけど、たくさんあるどのSPが鳴っているのかわからないときがありました、意外に小さいSPでしたが、店員曰く「良い再生はSPが消えるんです」と確かに^^
録音手法も関わるでしょうが、リュート独奏のCDで自分の2~3m前に奏者が居る、とはっきり距離を感じるものもあります。
michaelさんこんにちは
先日教えていただきたリュートによるバッハ、いいなーと思いながら聴きました。
目の前で演奏者の姿、気配を感じながら聴けたら、またいいでしょうね。
店員さん言葉が
「良いSPはSPが消えるんです」じゃなくて
「良い再生はSPが消えるんです」なのは
意外に深いのかなぁと思ったり・・
ありがとうございました。
シェヘラザードの各楽章の標題は本来、ないものらしいですが、第1楽章は「海とシンドバッドの船」なので、ヴァイオリンの受け渡しは視覚的に波を表現したのかなあと思いました。弓が立っているところが波みたいな?
部屋の音響処理は難しいです。反射板みたいなものも使ってみましたが、イマイチ。今、壁に貼っているホワイトキューオンは厚手で大きいせいか、これまででは一番効果を感じます。
デジタルイコライザーは音の鮮度が無くなってしまって僕はぜんぜんダメでした。上手に使えている人もいるみたいなのできっと使い方の問題なんでしょう。
ばけぺんさん、こんばんは
いいですね!波の情景・・明るい陽射し・・さっきまで船は大きなうねりみたいな波にに乗ってたのに今は穏やか・・みたいな・・
聴きたくなってきてしまいました。
トゥッティじゃなくて6人でと指定しているところも面白いですね。
なるほど吸音材は厚みがmのを言うんでしょうか・・
うちは吸音材などの厚さがそのままスピーカーっと壁の距離を縮めてしまって問題になるほど部屋が狭いです。
そういえば見た目の問題から壁紙の上から塗れる塗料というのを塗ったら若干音も変わって驚きました。
>音の鮮度が無くなってしまって
なるほど難しいんですね・・オーディオ製品じゃなくて楽器界の製品だったというところも面白かったです。
ありがとうございました。