救われた

シェラザードの続き・・大荒れのシャフリアール王の心が砕かれた後、泣いてるような王の主題が聴こえます。
でも日の光と穏やかな波が見えたところで
ヴァイオリンソロによるシェラザードが登場・・・低音には苦悩するシャフリアール王の姿・・注目したいのは王の姿が描かれている間ずっとそばにシェラザードがよりそっていることですね。

このフラジオレットの延ばしの部分、ソロだけでなく隣も加勢して2人です。
音量補強だけでなく、こう言うの二人がぴたっとそろうと吸い込まれるような立体的な音がしますよね・・
オーディオやってるならそれが聞きとれるかとか、ここ注目箇所でしょう。
もちろん実演に行ったって・・・

その後のこの木管の和音は王の孤独なこころだと思うんですが、
誰も信じられない孤独に苦しみ、そのことがさらに人への不信感と憎しみとなってゆく・・・・
あれていた原因に気付けましたよってなとこでしょう・・
でも、すぐそばにシェラザードがいるわけですね。
孤独じゃないとわかり・・
シェラザードが包み込むように話しかけると

ハープを伴い木管の和音=王の心は明るく響き出しました。
誰にも救えなかった王の心が救われた瞬間ですよねこれ。
非常に単純だけど泣けます。
人から心がないとか言われた私も泣きます。
同じホルンにもダイナミクスの差がつけてある・・
ソロヴァイオリン、最後の伸ばしはソロ1本きりなんですね・・
ハープのアルペジオは小節線より少し前から始まってほしいなぁ・・
千夜一夜なんかあんまり興味もなくて読みもしませんでした。
ちょっと見てみたら妹と打ち合わせて・・とか意外にあれなんですね・・
罪のない娘を無慈悲に殺してきたこの王・・・その心が救われました!という感じも引っかかる。
王は改心したのだが自分の愚行の重さに耐えきれずさらに凶悪化した。
その結果、家臣か敵国に殺されたとか・・
シェラザードの企てに気付いた王は怒りに震えシェラザードも殺してしまう。
しかし自分を助けてくれるはずだった声を失ったことに気付くとその事に耐えられず自ら命を絶ったとか・・
なんだこれ。
何言ってんだお前?という感じですね。
素直に生きれてません。
この音楽だけ聴いている分には王とシェラザードが寄り添って消えていくこの終結は大変感動的です。
私が大好きなのは音楽の中身そのものみたいです。
Comment