リピート

夕食時テレビでBSを見ていたら通販でモーツアルト全集CD170枚・・というのをやりだした。
いつも健康食品ばかりなのでちょっと新鮮だ。
ぼーっと見てるとHMVなんかの宣伝文句とは全く違う手法のナレーションに笑った。
1曲あたり43円!とかいって低コストをアピール。
大曲、小品、重く荘厳な作品、軽い冗談音楽・・等一切考慮せず単純に曲数で割ってみる・・
よくある茶番資料、インパクトのある数字が並んでればいいやみたいな。
そのうち「仮に聞かなくても持って飾っておくだけで豊かな気持ちになれます・・」・みたいなことまで言い出した。
もうタブーみたいなのまで売り文句にする・・いいからまず買いなよみたいな・・
ありがちなバッタもんかと思ったら、HMVとかでも売ってって内容はちゃんとしたものみたいだった。
宣伝だってお金がかかるんだし、やる以上は売らなきゃなんないんじゃないか・・
クラシックなんか聞かない層をターゲットにしていると思われ・・売り切る自信もあるのかな?ちょっと面白いな。
買った人で、全部聴いてみる人ってどれくらいいるのかな・・・
むしろクラシックが好きな人ほど全部は聞かないんじゃないかなぁ?
CDも安くなっちゃったからクラシックのリスナーでも買うと満足して聞かないという状況はそこらじゅうで多発してるんですよね。
もう多発というほどひといないのかな?
なんかあれですね、音楽とか作品とか芸術とか心とか言ってるけど実際データですもんね。
データを扱う経費みたいなものが値段になっているけど、音楽の重さとか心で泣いたとかそんなのはお金じゃないってなことか。
まあ何でもいいか。
ブログで色々なCDの感想を聞かせてくれる人たちがいますが、本の付録みたいなCDの正体不明な演奏を、いつもの名盤と同じスタンスで聴いた感想を乗せてくれているのを見かけたことがあります。
ちょっと感動した。
音楽は音楽なんですよね。

中学生のころから、ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団のCDを聴いていろんな曲を覚えてきました。
ワルターの録音の特徴として、交響曲のリピートを徹底的に省略しているというのがあると思うんです。
ベートーベン、シューベルト、ドボルザーク、ブラームス、マーラー・・・・グレートのスケルツォはやってたかな・・ほかにもあるのか・
後は徹底的にしない。
短い曲だと本当に短くなっちゃってて・・
実演ではリピートしてたのかな?
繰り返し再生される録音芸術に対する彼の考えなのかな?
SP時代は5分で盤を変えるんだからリピートなんて無意味だったろうけどもうLPの時代だからそれはいいんでしょう?
レコード会社がそうしてくれといったのかな?
80歳過ぎて体力的な限界とかあったのかな?
マーラーのコンサートの演目なんかを見ると曲が盛りだくさんすぎてもしかするとリピートなんかしないどころかカットしまくりだったんじゃ?と思ったこともあります。
そういうマーラーも自作の1番や6番にリピートを書いてる。
コンサートの中でその曲をどう聞かせたいかで、リピーしたりしなかったりするのかな。
今日なぜかモーツアルトの40番がのフィナーレが聴きたくなってワルターコロンビア響を聴いたんですね・・
ボーっと聴いててあぁ曲が終わるなと思うと減速しない・・
あれ?リピートしてる・・・
あれリピートするんすね・・・

モーツアルトが大好きだったらしいワルター。
彼のその特別な愛がここに出ているんだろうか?
よっぽどこの楽章に特別なものがあるのかな?
晩年、オカルト的な何かに心酔してモーツアルトの霊と会話してたみたいなことを何かで読んだ気がする。
その出てきたモーツアルトが言ったのかな?
「このシンフォニーはちゃんと繰り返しやってよね」
そんなに騒ぐ話じゃないのかもしれないけど・・30年前から時々聞いてる演奏なのに今更驚いたので書きたくなったので書いてみました。
評論家の宇野 功芳がむかし、モーツアルトにはまらないクラシックファンなんてこの世にいるのか?みたいなことを書いていました。何故かここにいるわけなんですが、ワルターの録音した後期の6曲と序曲とかだっけ・・は聞きます。
何故かあんまりモーツアルトにはまったりはしないままおっさんになっちゃった。
今、ワルターのモーツアルトなんていってると古いもんいつまで聴いてんだとか言われちゃうのかな?
誰が何言ってたって関係ないんですけどね。
僕はこれ好きですよ。
ゴールドベルク変奏曲なんか、グレン・グールドの演奏に洗脳されちゃっているので、全部のリピートをきちっと繰り返す演奏を聴くとちょっと重くなってくる・・
同じ曲でもリピートされると重くもたれるときと、きっちりリピートしてでかさを感じさせてくれと思うときがある。
通販の宣伝みたいなコストパフォーマンスみたいなので見ると、リピートなしの演奏は割高なんじゃないか・・そんなこと言う人はいないか。
Comment
こんにちは
>あんまりモーツアルトにはまったりはしないままおっさんに
ここにも居ます^^嫌いなわけじゃないですが、
LP盤の時代、反復を省略しないと片面に収め辛いという都合もあって、省略に馴れていますが、展開部以後の後半も反復すると、やたら長いです;
「ハフナー」の1、4楽章には反復記号がないんですね。
unagiさん、こんにちは。
私も特にモーツアルトには、はまりませんでしたけど
この交響曲第40番は大好きです。
我が家にある、オットー・クレンペラー指揮のCDの
解説によると、この曲をこよなく愛したシューベルトが
「この曲からは天使の声が聞こえる…」と、涙を浮かべながら
聴き入ったとか、第四楽章(特に好きです)は
「暗い情熱の爆発する楽章…」などの言葉に魅了されて
ますます好きになった感じもします。
こんばんは。
真面目にクラシック音楽を聴く方ではありませんが、モーツァルトと民族系の音楽を聴き比べると、脳への刺激が格段に違って、モーツァルトの音楽は簡単に云うと、非常に緻密な刺激を受けます。
民族系の音楽はどちらかと云うと、ホワ〜ンとして、脳波が伸びてだらける感覚と言えるかも。
どちらが心地よいかと云うと、モーツァルト:リラックスしているけれど寝ていなくて、気持ち良く頭が冴える感覚。
家にあるオーディオ・システムは電気を喰うので、3.11以降、全く使わず。。。益々、聴く機会が減ってます!
しかし「1曲あたり43円!とかいって低コストをアピール。」なんて、面白い宣伝があるんですね。
すべてがコスト・パフォーマンス優先の生活は面白くないかも〜人生には無駄も必要ですよね!
michaelさん、こんばんは
そうですか、僕だけじゃないんですね。モーツアルト。
僕も嫌いじゃないしむしろ、聴けばみんないいなとは思うんです・・
やっぱりLPの収録時間の影響なんですね。
ハフナー交響曲は勢いのある主題もわかりやすくて結構好きですが、そうなんですかリピート書いて無いんですね。
もとはセレナードなんでしたっけ?
他のもリピートなしで覚えちゃっているのでせっかくのイレギュラー感を実感できずにいる訳なんですね・・
ありがとうございました。
mikotoさん、はじめまして
こんばんは
クレンペラーの40番ですかぁ・・聴いてみたいです。
何があったかはわからないんですが40番はきっとモーツアルト自身にも特別な曲だったんですよね。
シューベルトにもこの曲は特別だったんですね。
そういう彼も地上の天使かという音楽を書いて残してくれました。
みんなウィーンにいた人ですね。
モーツアルトは色々変な逸話もありますが、彼は心に天使がいたのかもsれないですね。
ありがとうございました。
yokoblueplanetさん、こんばんは
>非常に緻密な刺激を
わかる気がします。
一見、おかしみたいな、さらっと聞き流す音楽みたいですけど、
中々細かく強く考え抜かれているのかなと思ったりします。
そうですね、無駄を楽しみたいですね。
人生そのものの高効率化を追求ていうのも面白そうですけど・・
私は難しいかなぁ・・
ありがとうございました。