1889年

地元のローカル線が用水路をまたいでいるんですが、その橋台。
レンガ詰みなんです。
上の方は目地もきれいで補修してあるのかなとも思うけれど、これは開通時からあるものなんじゃないかと思うんですよね。
開通は明治22年・・1889年なので130年くらい前。
ここで誰かがこれを積んだんだよな。
そしてその仕事は130年たってもなお生きて使われているんだと思うとちょっと感動した。

反対側・・もともと複線だったんですが、第2次大戦中にレールをはがされました。
鉄道マニアはこれだけでどの路線かわかるでしょう?
最近周囲は宅地化しているけど、子供のころ一面の田んぼだった記憶があります。
このあたりが一面の桑畑だったらしい古い写真も見たことがあります。
多分、明治22年もそんな感じだったと思う。
1989年といえばパリにエッフェル塔が建った年ですね。
ブラームスがエジソンの蝋管式蓄音機に録音をしたのはこの年です。交響曲第4番はすでに数年前に完成していた。
マーラーの交響曲第1番が完成したのもこのころ。
リムスキーコルサコフのシェラザードも完成。
チャイコフスキーの交響曲5番はできたけどまだ悲愴は生まれていない。
ラヴェルは14歳でまだ歴史上にデビューしてない。
プロコフィエフなんてまだ生まれてない。プロコフィエフは1918年に来日した際列車でこの上を通過しているはす。
ショパンは生きてれば80歳くらいだけど、40年も前に亡くなっていた。
結構最近まで生きていたような気もするピアニストのアルトゥール・ルービンシュタインはこのとき2歳。
姉がピアノを練習するのを見ていた2歳の彼は、いきなり同じ曲を上手に弾いちゃったんだそうです・・天才が現れた年。
日本だと前年にYAMAHAの創業者がオルガンの製造に成功していた。
なんとなくもう少し時間的に離れているんだろうと思うようなことが同時に起こってるんですよね。
人間なんてどんなに威張ったって数十年で消えちまうのにこの煉瓦は130年たっても現役で役に立ってるんだから・・
明治22年だもん20年前までは江戸時代だったわけでしょう。
当時の最先端技術だよね。
直してるのかもしれないけど水平とかなんとかいまだに狂わずにいるんでしょう・・
こういうものは日本中にあるんだろうけど、地元の、誰も見もしないようなところにひっそりと佇んでいたのがなんだか心に残った。
これを積んだのはどんな人なのかなぁ?その人にも嫁や子がいて・・5代目くらいが今現役なのか?
子孫だってその人のことをもう知らなかったりするんだろうね。
人間なんてはかないな。
私は何かを残すような人間じゃないので自分が楽しむ事だけ考えたい。
ルービンシュタインは、ヨーゼフ・ヨアヒムにその才能を認められたらしい。
ヨアヒムといえば若いころからブラームスの親友で互いに影響しあってきたヴァイオリニストだ。
ブラームスのソナタも二人で演奏しただろう。
そのヨアヒムに発見されたピアニストのピアノでこの曲を聴きましょう。
同じ録音をCD持っていて愛聴しているけど、あれ?これなんかピッチに違和感を感じるけど・・
まあいいか。
Comment
unagiさん、こんばんは。
作曲家の活動時期って並べてみると印象とずいぶん違うもんだなと思いました。シェエラザードってもっとずっと前だと思い込んでました。一方でエジソンの発明、結構昔なんですね。
それにしても130年もの間、ずっと線路を支えている土台って考えてみれば凄いですね。まさに縁の下の力持ち。良い仕事してます!
ばけぺんさん、こんにちは
本当ですね、自分の作品への印象と実際がずれていて・・
みんな直列につながっているんじゃなくて全然違う感覚が同時進行してたんだなぁと。
煉瓦積み、のんべいだけど仕事はすごいみたいな職人がいたのかなと想像したりして。
エジソンの仕事も偉大ですけど、こういう人たちのやったことも素晴らしいですね。
ありがとうございました。