強弱切り替え

こたつ入れて~
こたつのおかげでしもやけも治ったし、しあわせに生きていられます。
新しいこたつヒーターはケーブルの途中に多段階の強弱切り替えがついていますが、効率がかなり良くなったみたいでものすごく温まりダイアルを一番弱くしても熱い・・で止めると寒い。
結局、手動でオン/オフを繰り返しているわけで・・ダイアルに数字がいっぱいあっても実は意味がない。いんだけどね。
楽譜上の強弱記号としてfとかpとかいうのがあります。
普通の作曲家の普通の譜面ではだいたいそれぞれ三つ、fffが最大値ですね。
これは単純に音量の絶対値を示す記号じゃなくて、そういう響き!そういう音楽!みたいな指示だから同じ曲の中にffより大きな音量のfがあっても少しもおかしくないと思う。
チャイコフスキーの悲愴交響曲にpppppというのが出てくるのが有名ですが、f方向もffffというのを好んでいろんな曲に使っていることが演奏する人や楽譜を眺める人の間では有名なんじゃないでしょうか。
その後の作曲家はもっとfffffとかやってますが調子に乗ってる感じでちょっとシラケないでもない。
昨日のプーランクのオルガンコンチェルトにもffffがありました。
最初に4つとか5つとかやりだしたのってチャイコフスキーじゃないかなぁ・・
単純にffffをfffよりでかい音と考えちゃうとだせる最大音量をそこに割り振って以下刻んでいくだけなので結局fffと同じことになってしまい意味がない。コントローラーの刻みが増えただけみたいな話になってしまいます。
最大音量はfffということでいいんだと思う。ffffはそのうえでもっと吠えて!もっと輝いて!もっと嘆いて!これ以上ない力で!・・みたいな話なんでしょうね。
交響曲第5番は全曲中に顔を出す冷たく重苦しい主題で始まりますが、いろいろあってフィナーレの最後はその主題が勝利と喜びの行進曲となって終わっていきます。
あーよかったねーとかいって終わんのかと思うと突然第1楽章の寒い雪中を行くみたいなテーマが今度は輝かしく鳴り響く!
ハッピーなエンディングだと思っていたらほんとの大トリは別にいた!
西部警察で大門だっけ渡哲也がアップになっていったん締まるんだけどそのあと石原裕次郎が出てきてひとコーナーあったじゃないですか・・・いやあれじゃないな。
ご飯食べた後サービスでゼリーが出てくるお店があるんだけど、良かったねなんて言ってるとその後からアイス持ってきたりしちゃうんだよね。それもちがうか。
初演当時、もしかすると今も?チャイコフスキーのこういうチョコに生クリームをかけた上からはちみつと粉砂糖みたいな演出を、はったり的と感じて敬遠する向きもあたみたいだ。
でもね・・私はわかっちゃいるけど毎回ここで泣きそうになる。
あんな冷たいところを一人でトボトボと・・でも実はおまえこそが英雄なんだよ!みたいなのって泣けるんだよね・・
そのファンファーレを奏するオーボエとトランペットには

ffffの指示。
手前からみんなfffで吠えて場を作ってますもんね。
これはでかい音出せということよりお前ら主役だぞ頼むぞ!という意味ですよね。
燦然と輝いちゃって!みたいな・・
同じ主題をいったん受け継ぐホルンにはffffがない。
で実際はどうなの?・・とか思いながら聴くんですけどね・・
結構意外なのは第2楽章後半の山場

そのピークにffff。
これもでかい音という意味じゃなくて、演歌で拳を握るようなサビの山場だよということでしょう・・
マーラーを聴きに行ったらクライマックスのfffでホールそのものが楽器となって響いてた・・というのもあったけれど・・
ちょっと思い出のある指揮者が数年前にドイツのオーケストラとやってきたので聴きに行きました。
ブラームスの交響曲第1番、彼らにしてみれば地元の自分たちの音楽だ。ブラームスだからfffなんていうのも書かなくてffがあったら特別な最強音。
シンプルな2管編成でマーラーみたいにステージ上に人があふれていたりもしない。
爆発したくて仕方ないオーケストラを指揮者が抑えて押さえて・・ここ!というツボで指揮者に力が入るのを見たオケが爆発した。
それはただ音がでかいとかホールが鳴ってますとかいうのとは違う、音楽の意志の爆発というか・・
物理的なものだけじゃなくて心の中にまで衝撃波が入ってくるような・・
俺だけじゃなくて周りのお客全員に・・
あれは忘れられないなぁ。
日本のオケとは違う底力みたいな物を感じました。
体力的なものもあるけれど、音楽に対する感覚の差だと思うんだよね。
音の大きさはついてくる結果で気持ち記号みたいなもんじゃないかと思うんだよね。
f ってそういうのだと思う。
チャイコフスキーも含めいろんな人の作品を演奏しスコアを熟知しているマーラー、そのマーラーの楽譜を見ているとppppというのはときどき出てくるけどffffというのは基本的に見ない。あったっけ?
*7番に特殊な指示としてfffffというのがありますが今は別ななはしで・・
あれですよねむしろ大事で難しいのは弱音方向なんだよね。
こたつのコントローラはもっと低出力方向のレンジを拡大してほしい。
安く作んなきゃなんないしきっと難しいんだろうね。
オーディオやる人としては変な制御で電源にノイズ出されるのも困る。
まあいいか自分でオン/オフすれば。
早く春になんないかなぁ。
Comment
興味ある話題ですね。
私のやってる楽器やチェンバロ、ギターなど絶対的に強音が出ないですが、ffと感じるよう聴き手の耳を誘導するような弾き方をしますね、ffの前に、ぐっと弱奏にしたり、間を空けて"溜め"を置いて、実際はmfかmpで弾いて"遠くで鳴っているffだ!"と感じてもらうんです^^
また美しくppを奏でる際は集中して余計にエネルギー使うように思います。
michaelさん、こんばんは
面白いですね。
物理音量じゃなく、ffを表現することができるわけですね。
音楽って、楽器って奥が深いですよね。
いいなぁーと思います。
ありがとうございました。