おなじのばっかり

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以前書いたスパゲッティ屋さんにまた行きました。
考えてみると食べるのはいつもこれ。
メニューにはおいしそうなものがたくさん並んでいるのに。
それはきっと損してるんでしょうね。
音楽も。
クラシック音楽は作品と演奏家は分離独立したなカヴァーみたいなもので、作品の個性の上に演奏家の個性が乗っかったものをいろいろ聴き比べる楽しみがあります。
コアなクラシックリスナーの家に行くと同じ曲のCDとかレコードがなん十種類もあって、どの盤がどうだとか言っているわけ。そんなとこ行かないけど。
いろんな演奏を聴き比べると同じ曲でも全く異なる世界が発見できて感動することも多い。
いろんな演奏を聴かないとその曲の姿は見えてこないんだともいえるかもしれない。
一つの録音にあんまり固執していないでできるだけいろいろ聴いてみた方がいいと思う。
そう思っていろいろ聴いてみたりもするんだけど私は刷り込まれ気に入った演奏に戻ってそればっかり聞いちゃう傾向が異常に強いんです。
それはちょっと困ったことで、同業者に対しては恥ずかしいことだと思ったりもしています。

コンサートへ行ったときは頭に焼き付いた演奏とは全く関係なく目の前に現れる音楽をそのまま素直に受け入れられるんだけど。
でなきゃ困るのでよかった。

でこの曲はバッハのオルガン協奏曲ト長調BWV592 明るくかわいらしいいい曲でしょう。

18歳で亡くなってしまったという若い天才の書いたヴァイオリン協奏曲をバッハがオルガン用に編曲したもの。
中学生のころラジオで録音して気に入り何度も何度も聞きました。
聴きすぎて細かい装飾音だとか歌いまわし迄刷り込まれてしまい今でも頭で鳴ります。
小さなラジカセのアンテナの前に手をかざすとザーというノイズが入るんだけどわざとそんなことをやって入ってしまったノイズまで頭の中に焼き付いて・・いまでもその部分に差し掛かるとザーッと鳴る。

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ネットにあったこの楽譜・・・2種類の手鍵盤を弾き分けることが文字で指定されています。これはバッハが書いたものだと思う。
しかしこのプルトリラーみたいなものはバッハが書いたものではなくてこの楽譜の校訂の時に誰かの解釈を加筆したんだと思う。
いろんな録音を聴いているとここで何もしない人結構多くいるし、これがない楽譜も存在すると思います。バッハくらいだとそういうのはよくあるので驚くことはない。
さらにバロック音楽は演奏者が即興で入れる装飾音が職人芸的な意味を持っていて楽譜の音符だけを音にすればいいというものではないし、楽譜にない音が聞えるとけしからんという話でもない。
いろんな装飾を伴った演奏が存在していいし、聴き手は聴き手でそのあたりに自分なりの好みを持っていていいと思う。
いろんな演奏を聴いてそのあたりの個性を楽しめばいいはずなんだし実際そうしているんだけれど、この曲中学生の頃にさんざん聴いたあのラジオの録音が頭に強く刷り込まれてしまいここでトリルしない演奏にものすごい抵抗を感じてしまう。
ここはどうしてもトリルしてほしい・・
正直この動画の演奏もアーティキュレーションが自分の思うものと違い一部違うなぁなんて思いながら聴いてたりして・・。
楽譜にあるスタッカートも編者によるものじゃないかと思うんだけど、あれで覚えちゃって。
テンポの揺れ、タメもここはこうでしょみたいなのが・・
自分にとってこれだ!と思える動画は見つけられなかった。
本当はそんなのおかしいのかもしれない。
こういう変なこだわりに縛られていると音楽を聴く人としては少し損なんじゃないかと自分でも思う。


私の好みでは装飾やりすぎだと思うことの多いトン・コープマンの演奏。
2楽章は即興が旋律の美しさを壊してしまっている気がして全然受け入れられない・・まぁ何度か聞くと慣れては来るんだけど・・
でも全体に生き生きしている感じはいいんだよなぁ・・

話がずれるけれど同じ曲をバッハ自身がチェンバロ用に編曲したらしいBWV592a

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単純に移植しただけではなくて楽器の特性に合わせて旋律そのほかを色々変えてあるのが興味深い。
その変え方もかなり思い切ってるんだよなぁ・・
左手に出てくる6連符は私の苦手なトン・コープマンをちょっと思い出したりして。
そしてこの楽譜には装飾記号みたいなものは全く見当たらない。
自筆譜が残っているのか写譜が残っているのか知らないけれど、元資料にも何にも書いてないんだろう。
でも実際演奏するときは色々と装飾を加えて弾いていたんだろうと思う。


バッハが弾いてるところを聞いてみたかったなぁ・・
バッハ自身の演奏が私のにがてなコープマンみたいなのだったらどうしよう・・
どうもしないけど。


狭い世界だけを見てすべてを知ったようなことを言っているのをみると稚拙でみっともないと感じる・・とはいえ多くの人と話し、見分を広げ・・みたいなのは私の最も逃げたい世界。
とりあえずかわったスパゲティ食ってみるか。
納豆おろしスパゲティーとかあったなぁ・・今度食ってみようかなぁ。

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お店の窓の外はこんな感じ。
ちょっとだけ富士山。

Tag:バッハ  Trackback:0 comment:6 

Comment

ナカリママ URL
#- 2018.02.08 Thu17:57
ほんとに明るくて可愛いいい曲ですね。
初めて聴きました(多分)。
ちょっと気持ちが持ち上がった感じです。
スパゲティも美味しそう。
unagiさんがアップされる食べ物の写真、
いつも、いいなあ、食べたいなあと思うのばかりです。
バッハを聴きながら晩御飯にしよう~~
ありがとうございました。
quietplace URL|こんばんは
#- 2018.02.08 Thu19:28
自分に刷り込まれた録音ってありますよね。40年近く最初の録音の刷り込みが続いて新しく「代替わり」しない曲がいくつかあります。ただ、私の場合協奏曲のみ、代替わりがその聴楽の都度訪れやすいジャンルがあります。なぜでしょうね。独奏が管弦楽に対立する異分子のように個性を主張するからでしょうか。
michael URL
#xNtCea2Y Edit  2018.02.08 Thu20:28
こんばんは

バッハはヴァヴァルディなどイタリアの作品を多く編曲していますが、この曲もその1つのようなイタリア流儀に聴こえます。
上声はたしかにvnソロ風ですが、鍵盤曲として見事におさめているところ、さすがですね。
unagi URL|Re: タイトルなし
#- 2018.02.09 Fri00:05
ナカリママさん、こんばんは
ずっとこの曲はバッハのオリジナルだと思っていました。
若くして亡くなってしまった別人の作だと知ったのは実は最近です。
でもバッハしていますよね。
素朴においしいものは私の幸せの元です。
毎日食べるが楽しみです。

ありがとうございました。
unagi URL|Re: こんばんは
#- 2018.02.09 Fri00:09
quietplaceさん、こんばんは
私だけじゃないんですね。ちょっと嬉しいです。
協奏曲はやっぱりソリストの個性勝負みたいなところが大きいからでしょうか?
私もそうかもしれません。
声楽なんかですと演奏の前に声そのものが個性なので
この声は・・みたいになってしまう事もあります。
でも折角の人生なのでできるだけ色々聴きたいとは思っています。

ありがとうございました。
unagi URL|Re: タイトルなし
#- 2018.02.09 Fri00:14
michaelさん、こんばんは
バッハの編曲についてはmichaelさんの分析記事がいろいろ面白いですね。
ヴィヴァルディのはオリジナルも有名で聴いても楽しめるものがあるわけですが、
この曲のオリジナルは効けるんでしょうか・・楽譜は見つけられませんでした。
オルガンとハープシコード用で内容を大きく変えているところからバッハが何をどう感じてどう演奏していたのか
いろいろ想像が止まりません。

ありがとうございました。
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クラシック音楽が好きです。

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