波の音とポエム

犬と車で出かけたはいいけれどどんより曇り・・帰ろうかとも思ったけれど犬が収まらない。
じゃあ海でも行こうか・・
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風が強く波も激しい。
岩で波が砕けてたりしてちょっとした景色に・・こういうのは天気悪いくらいが絵になっていよね。
ずっと向こうまで歩いていきたいけど立ち入り禁止。
この光景どこかで見たような・・・

メンデルスゾーンの序曲フィンガルの洞窟という曲
クラシック音楽入門みたいなのがあると出てくるような曲です。
この作曲家は音の風景画家と言われているわけですがこれなんかそのままですね。
リストが交響曲とは違うシンフォニックポエムというジャンルというか形式を作りました。
メンデルスゾーンのこれは序曲という事になってますね。オペラが始まるわけじゃなく独立しているんだけど序曲。
ブラームスも交響詩とか言わずに独立した序曲を2つ書いた。
ソナタ形式にしっかりのっとっていて自由な感じの交響詩よりは固くしまっているような気もするか・・別にソナタ形式でかたい交響詩もあっていいしあるんだけど。

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ヴァイオリンの霧が立ち込める中に厚い雲から透ける木管の光が重なってゆく・・
よく見ると3小節目のコントラバスが歯抜けになっているでしょう・・
普通ならつぎと同じDの音書きそうじゃないですか?
こういうところに天才の技があったりして・・
しかしこの数小節を聴いただけで目の前にこの世界があって自分はそこにいるもんね・・

この曲を初めて聴いたのはクラシックを聴き始めたばがりでまだ何にもわからなかったころでした。
冒頭の音楽を聴いて霧の中に波が打ち付けている様子が頭に浮かんだことを覚えています。
感動したというか音楽ってすごいと驚いたような記憶があります。
スカッと青空では全然なくて白霧に包まれた海・・
潮の香り、波の音・・
冒頭のあたりはいったその場で浮かんだ楽想を姉へ向けた手紙に走り書きしてるんですね。
とれたて新鮮。
その場の空気をその場で真空パックみたいな音楽だ。
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でも思うにこれは標本写真のように景色や空気を客観的にとらえたものではなくて、この景色、空気を見て触れて聞いた人間の心に映ったものが音楽になっているんですね。
一度吸い込まれて体を回り吐き出された息というか・・そう考えると汚いですねじゃない、200年前に存在した人間をそこに感じるわけだ。
そしてそれを読んだ誰かの心に映ったものが音として表現され
聴いた人間の心にまた何かが写る・・
心が介在してるところが面白いし素晴らしいのかなと思ったり。

ブログを読んでいてもあったこともない作者を感じることがありますよね。
写真でも撮った人の心がのってたりします。
本の評論から本だけじゃなくて読み手の世界を感じる。
ラーメン食ってきたみたいなのでも人を感じたりしますもんね。

さらに思うのはブログや音楽を通して私が感じた強い人間像と、実際のその作者は一致しなくてもいいんですよね。
私の思うメンデルスゾーンと本当のメンデルスゾーンが一致するかは知らないしどうでもいい。
でも私の中にメンデルスゾーンという人間が強く意識される・・
ブログの人も。
人間を感じたいのかなぁ・・
また、世の中人間を表現しようとしているのかなぁ・・

以前若い人がSNSの話をしているのが聞こえて、あいつのはいつもポエムだよなと馬鹿にする感じで笑っていました。
ポエムだとおかしく見えるんでしょうね。
ポエムという言葉はいいものでもあるからこの場合、陳腐な自分語りみたいな意味なんでしょう。
具体的な例を挙げて笑っていたから聞いたんだけど私には少しもおかしいと思えなかった。
俺もそうなっちゃうよ思った
私、仕事用の会話や親しくない人との会話は普通にしてるつもりです。
いきなりポエムじゃしまずいことくらいわかるよ。
でも子供のころから妄想の中で自分と会話しながら過ごしてきましたので頭の中は悪い意味でポエム。
このブログも他人から見るとうざい自己陶酔かなと思う事があります。今これとか。
ちょっと人と親しくなると話が合わない感じがしてくる。
相手は離れていき、自分も逃げる。
相手には私がアホなポエムに見えるからかなと思ったこともあります。
そして一人に戻る。
悪いのはポエムじゃなくてなじめない相手へ向かって子供のころから続く疎外感への代償としての敵意みたいなものが出ちゃってるんだろうね。
なに?このひと?
ってことでしょうね。

相手を直接感じず、好きなだけ気持ちの悪い自分語りをしていられるところが私にとってのブログのいいところなんでしょうね。
自分語りという言葉も嫌いですけどね、ある人がまたある人を馬鹿にする意味で使ってた。
でも私はその馬鹿にしているのを聞いて好意を持っていたその人が遠ざかって行くのを感じた。
もういいいか。

フィンガルの洞窟も四国八十八箇所みたいなところなんだと昔ききました。
私は多分死ぬまでフィンガルの洞窟なんて行くこともないと思う。
この音楽を聴いとけばそれでいいか。
あとは江の島の裏側の洞窟でも見とけばいいや。


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たのしいねー
あなたの笑顔で私はいつも救われます。
またどっかいこうね。

Tag:メンデルスゾーン  Trackback:0 comment:6 

Comment

ミドリノマッキー URL
#- 2018.04.28 Sat21:18
ほんとに笑ってるみたいですね(^^♪
自分も癒されました。
mikoto URL|unagi さん、おはようございます。
#590EDrZY Edit  2018.04.29 Sun08:53
ブログの記事の文体や雰囲気から
その方のお人柄をうかがい知ることもありますね。
字は体を表す感じにも似て。
で、その存在に安心できたりして。

ブログは表現の場でもあると思います。
自由に、思いのままに綴られていいと思います。
自分語りでも、ポエムでも、なんでも。
拝見できることが楽しみです。
江の島の洞窟辺りの探検もいいかも…探険記とか?

今朝はうっすら靄のかかった海上に、鮮やかな桃色の
日の出を見られました。
こんな小さな幸せを見逃さないようにしたいですね。
ばけぺん URL|フィンガルの洞窟
#- 2018.04.29 Sun11:05
unagiさん、こんにちは。

今までも何度か同じようなことがあったのですが「フィンガルの洞窟」、昨日の夜聴いたんですよ。たぶん20年ぶりくらいかな。今、ここをお邪魔してちょっとびっくりしました!

ネッシーで有名なネス湖のそばに出張したことがありますが、重たい空、ごつごつとした地肌と手つかずの緑が鬱蒼とした雰囲気でした。海も空も灰色っぽい青でちょうどこの曲みたい。メンデルスゾーン、さすがです。

わんちゃん、いつもかわいいですね!

unagi URL|Re: タイトルなし
#- 2018.04.29 Sun12:06
ミドリノマッキーさん、こんにちは
犬は日本語で楽しい!とか言わない代わりにからだじゅうで
気落ちを表現してくれます。
癒されます。
自分でもわかってるんですよ飼い主が癒されてることも。
ありがとうございました。
unagi URL|Re: unagi さん、おはようございます。
#- 2018.04.29 Sun16:21
mikotoさん、こんにちは
ブログ、楽しいですよね。
私は人とうまくやれないんですがブログを見たりみてもらったおかげで
色々な人と話ができたり、いろんな考えがあることを知ったりして
とても楽しいです。
大袈裟ですがいきている感じがします。
特にコメントいただけるのは本当にうれしいですよね。
海上の日の出が見られるなんて素敵ですね!
うらやましいです。
いいなあと思います。
ありがとうございました。
unagi URL|Re: フィンガルの洞窟
#- 2018.04.29 Sun16:54
ばけぺんさん、こんにちは

> 今までも何度か同じようなことがあったのですが
あぁすごいですね。
私の側からも同じようなことがありました。
でも20年ぶりですもんね。
この曲しょっちゅう聞きまくるような曲でもないですが聴けばちゃんと答えてくれる内容を持って答えてくれますよね。


> ネッシーで有名なネス湖のそばに出張したことがありますが
すごいな。
行ってみたいですねそういうところ。
いろんな景色や空気を知っていると音楽を聴いたときに感じる世界も広がりそうですね。
いいなぁ

ありがとうございました。
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