アプト式
3連休の最後の日、
ここはとあるキャンプ場。
あとで聞くとものすごくにぎわったらしいけれどもう最終日の午後で天気も悪く人はいない。

これもわかる人にはわかる系な写真で、あんな急勾配の鉄道というのは普通はあり得ません。
もともと川沿いに施設された鉄道がダム湖に沈む際、代わりに観光要素も見越してアプト式という特殊な方式を採用しダム湖の上まで一気に駆け登っていく鉄道が新設された・・
このキャンプ場から山の向こうにあるアプト式補助機関車の基地みたいな駅まで歩いていけるはずだという適当な知識をもとにここへ来てみた。
キャンプ場の管理人さんがでてきて声をかけてくる。
〇〇さん?
い、いえキャンプじゃないんですけど・・いいですか?
あーどうぞどうぞ!ごゆっくり・・
みればそれらしきトンネルが・・・
何も考えずに入ってみると真っ暗だ。
あっこれ進めないじゃん・・・当たり前か。
あーあとか思っていると先ほどの管理人さんが懐中電灯を差し出してくれた。
これ持って行ってごらんよ・・
わーありがたい。

先ほど坂を上っていった列車はダムの上にある駅で列車交換を行うはずで、今急いでトンネルの向こうへ行けば日数本しかない列車が駅で機関車を切り離すシーンを見られるはず・・
と一人焦りだす。
管理人さんとうちの嫁さんは何だか楽しそうに話して色々やっていて進んでこない。
管理人さんは途中で引き返すような話だったので嫁さんを真っ暗なトンネルに残し一人で走っていっちゃうわけにもいかない・・
みたいなくだらないことをやっていたので行きの写真がない。
トンネルをゆっくりみていった帰りの話は次の記事で・・
トンネルを抜けると駅というか補助機関車の基地のような場所に出られる。
補助機関車をつけたり外したりするために列車が停車するアプトいちしろ駅
乗り降りしたっていいんだろうけど、どのくらいいるんだろうそういう人・・

鉄のレールに鉄の車輪が乗っている鉄道は勾配になると車輪が空転して仕方がないんですね。
だから坂が苦手。
そこを強行突破するために

ラックレールというこんなものにピニオンという歯車を組み込ませて坂を昇り降りさせようという仕組みがアプト式鉄道です。
いったこともないけれどスイスとかにはたくさんあるんでしょうね。
日本でも昔は信越本線の碓氷峠越えで・・と鉄道マニアならとまらないところでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=aRP2CXbM0a0
ショパンの前奏曲イ短調。
これだけ単独で弾いたっていいんだろうけど、普通は24曲か抜粋で連続演奏のうちの一曲という感じにするんでしょうかね。

なんとなくラックレールみたいな音楽だなと思って。
旋律に付点のリズムを聴いて葬送の音楽のようでもあるけれど・・
でも別に誰も死んでいないと思う。
何か釈然としない悩みを抱えて歩くナメクジのおっさんみたいだ。
途中立ち止まり・・ふと何かこぼす。
何か思いついたんだろうか?
その後好転の光がくるのか?と思わせて元の雰囲気着地するという・・
短いけどすごく面白いよねこの曲。
駅を出るとすぐ急カーブになっているため、あの超絶勾配は山の陰になってしまいここから見ることができない。
ホームの一番端まで行ってみて・・
山間に警笛がこだまし、車輪のきしむ音と補助機関車のブロアみたいな音が大きくなってくると

あ、来やがった。
ラックレールをがっちり噛みこんだ補助電気機関車がついて続く列車を受け止めながらゆっくりと坂を下りてくる。

停車するとすぐに本務機の機関士さんと車掌さんが補機解放の手続きを・・
わかんないけど、JRとかだと車掌さんがこういうの扱ったりは絶対しないですよね。
客車から飛び降りたので車掌さんに見えたけど違うのかもしれない。

特に合図があったのかはわからないけれど、
役目を終えたアプト式区間専用の補機はいったん引き上げる。

このラックレールの末端というか開始部分が興味深い。
手前のグリスが光る物体は多分下にばねが入っていて上へ押し上げる力がかかっているのではないかと思う。
手前からアプト式機関車が侵入してくるとこれがピニオンを上へ押し上げる。
そのまま機関車が前進すると持ち上げられていたピニオンがその先のラックレールの上へすとんと落ちてスムーズに歯車がかみ合う・・
という仕組みなんじゃないだろうか?
ピニオンはこの板の上を滑っていくので機関車が通過するとズー!みたいな音がする。

補機を開放してからも発車まで少し時間がとってあるみたいだ。
降りて写真を撮ったりトイレへ行ったりできそうな・・
この列車行き止まり式の谷へ行ってきた帰りなのでお客さんにとっては2度目であれかな・・
それでも何人かは降りていろいろ見物しているようだ。
そして、列車は発車してゆく
振り返れば

こんな光景。ここもダム湖でしょう。
あのつり橋の向こうは発電所。
かつてはあの橋を鉄道が渡っていたそうだ。
こういう山の奥部へ敷かれた鉄道はみんな木材を運ぶ森林鉄道か、ダムや発電所を建設するために敷かれたものだったわけですよね。
そんな鉄道がどうこうとかいうのに関係なく、ここはいいとこなんじゃないかと思います。
こんなもんが日帰りで見に行けるところにあってありがたいし面白い。
アプト式新鮮に切り替えなんて記事をどこかで読んで驚いたのも30年前かぁ・・
あのころバブルだったわけだもんね。
出来れば一日でも長く、この光景が続きますように。
ここはとあるキャンプ場。
あとで聞くとものすごくにぎわったらしいけれどもう最終日の午後で天気も悪く人はいない。

これもわかる人にはわかる系な写真で、あんな急勾配の鉄道というのは普通はあり得ません。
もともと川沿いに施設された鉄道がダム湖に沈む際、代わりに観光要素も見越してアプト式という特殊な方式を採用しダム湖の上まで一気に駆け登っていく鉄道が新設された・・
このキャンプ場から山の向こうにあるアプト式補助機関車の基地みたいな駅まで歩いていけるはずだという適当な知識をもとにここへ来てみた。
キャンプ場の管理人さんがでてきて声をかけてくる。
〇〇さん?
い、いえキャンプじゃないんですけど・・いいですか?
あーどうぞどうぞ!ごゆっくり・・
みればそれらしきトンネルが・・・
何も考えずに入ってみると真っ暗だ。
あっこれ進めないじゃん・・・当たり前か。
あーあとか思っていると先ほどの管理人さんが懐中電灯を差し出してくれた。
これ持って行ってごらんよ・・
わーありがたい。

先ほど坂を上っていった列車はダムの上にある駅で列車交換を行うはずで、今急いでトンネルの向こうへ行けば日数本しかない列車が駅で機関車を切り離すシーンを見られるはず・・
と一人焦りだす。
管理人さんとうちの嫁さんは何だか楽しそうに話して色々やっていて進んでこない。
管理人さんは途中で引き返すような話だったので嫁さんを真っ暗なトンネルに残し一人で走っていっちゃうわけにもいかない・・
みたいなくだらないことをやっていたので行きの写真がない。
トンネルをゆっくりみていった帰りの話は次の記事で・・
トンネルを抜けると駅というか補助機関車の基地のような場所に出られる。
補助機関車をつけたり外したりするために列車が停車するアプトいちしろ駅
乗り降りしたっていいんだろうけど、どのくらいいるんだろうそういう人・・

鉄のレールに鉄の車輪が乗っている鉄道は勾配になると車輪が空転して仕方がないんですね。
だから坂が苦手。
そこを強行突破するために

ラックレールというこんなものにピニオンという歯車を組み込ませて坂を昇り降りさせようという仕組みがアプト式鉄道です。
いったこともないけれどスイスとかにはたくさんあるんでしょうね。
日本でも昔は信越本線の碓氷峠越えで・・と鉄道マニアならとまらないところでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=aRP2CXbM0a0
ショパンの前奏曲イ短調。
これだけ単独で弾いたっていいんだろうけど、普通は24曲か抜粋で連続演奏のうちの一曲という感じにするんでしょうかね。

なんとなくラックレールみたいな音楽だなと思って。
旋律に付点のリズムを聴いて葬送の音楽のようでもあるけれど・・
でも別に誰も死んでいないと思う。
何か釈然としない悩みを抱えて歩くナメクジのおっさんみたいだ。
途中立ち止まり・・ふと何かこぼす。
何か思いついたんだろうか?
その後好転の光がくるのか?と思わせて元の雰囲気着地するという・・
短いけどすごく面白いよねこの曲。
駅を出るとすぐ急カーブになっているため、あの超絶勾配は山の陰になってしまいここから見ることができない。
ホームの一番端まで行ってみて・・
山間に警笛がこだまし、車輪のきしむ音と補助機関車のブロアみたいな音が大きくなってくると

あ、来やがった。
ラックレールをがっちり噛みこんだ補助電気機関車がついて続く列車を受け止めながらゆっくりと坂を下りてくる。

停車するとすぐに本務機の機関士さんと車掌さんが補機解放の手続きを・・
わかんないけど、JRとかだと車掌さんがこういうの扱ったりは絶対しないですよね。
客車から飛び降りたので車掌さんに見えたけど違うのかもしれない。

特に合図があったのかはわからないけれど、
役目を終えたアプト式区間専用の補機はいったん引き上げる。

このラックレールの末端というか開始部分が興味深い。
手前のグリスが光る物体は多分下にばねが入っていて上へ押し上げる力がかかっているのではないかと思う。
手前からアプト式機関車が侵入してくるとこれがピニオンを上へ押し上げる。
そのまま機関車が前進すると持ち上げられていたピニオンがその先のラックレールの上へすとんと落ちてスムーズに歯車がかみ合う・・
という仕組みなんじゃないだろうか?
ピニオンはこの板の上を滑っていくので機関車が通過するとズー!みたいな音がする。

補機を開放してからも発車まで少し時間がとってあるみたいだ。
降りて写真を撮ったりトイレへ行ったりできそうな・・
この列車行き止まり式の谷へ行ってきた帰りなのでお客さんにとっては2度目であれかな・・
それでも何人かは降りていろいろ見物しているようだ。
そして、列車は発車してゆく
振り返れば

こんな光景。ここもダム湖でしょう。
あのつり橋の向こうは発電所。
かつてはあの橋を鉄道が渡っていたそうだ。
こういう山の奥部へ敷かれた鉄道はみんな木材を運ぶ森林鉄道か、ダムや発電所を建設するために敷かれたものだったわけですよね。
そんな鉄道がどうこうとかいうのに関係なく、ここはいいとこなんじゃないかと思います。
こんなもんが日帰りで見に行けるところにあってありがたいし面白い。
アプト式新鮮に切り替えなんて記事をどこかで読んで驚いたのも30年前かぁ・・
あのころバブルだったわけだもんね。
出来れば一日でも長く、この光景が続きますように。
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