神と夫婦と

富士山の周りには富士山そのものを祭った浅間神社という神社がたくさんあります。
うちの近所にもあるけれどこれは結構遠いところにある浅間神社。
ここも20年くらい前から何度もその前を通ているのに行ったことがなかった。
始めは道沿いによくある地区を守る小さな神社くらいにしか思っていなかった。
でもびっくり
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間口は狭いようでもこの奥行き。
並の神社じゃないな・・
駐車場にバスが一台到着すると、
聴きなれない、いや聴きなれたあの言葉を話す団体がわらわらとやってくる。
来たっていいし歓迎すべきなんだろう。
日本人観光客はあんまり来ないようなマイナーなところをあえて回っている気もする。
隠れた名所をというポジティブな内容じゃなくて安く済ませつつ何かを見て回った気にさせるというのを追求しているようにも感じる。
大きなお世話か。
でも実際そっちのコースも素敵だと私も思うよ。
大人気の超名所がほんとにいいものといえるのかどうか・・
しばらく待っていれば一斉に次へ行っちゃうのでまた元の時間に戻る。


一番奥にあった巨大な檜

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夫婦桧と記された立札を見て、はじめは単純に2本が寄り添っているからそう呼ばれるんだなと思っていた。
案内板に言葉をぼかしたようなことが書いてある気がしたのでもう一度見上げてみると
あっ
もっと露骨な話なのであった。


https://www.youtube.com/watch?v=4fu3dqBKDxU&t=3076s
大規模な交響曲として完成するはずだったこの曲。
骨格を完成させ、来年の夏休みに肉付けをして完成へ近づけようと考えていた作者はしかし突然の感染症で亡くなってしまいました。
よく第1楽章のみ完成と書いてあったりするけれどそれは間違い。
一度仮に総譜に書いてみた・・みたいな途中段階がそのまま演奏できなくもないという状態なだけだ。
楽章によっては筋書きのメモみたいな段階でしかない部分も多い。
一見すると演奏不可能なそれはしかし無視できないほどの強いと魅力を放っているため、最低限の補筆を施し不完全ながら曲として演奏されることがある。
そこには妻の不貞を告発するという内容がかなり具体的に読み取れるほか、作曲時期にそうした事実があったことが伝えられてもいて・・・

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第1楽章、序奏が終わって主部歌いだし、
第1ヴァイオリンのかなり大きく上がって下がる音型に始まるとても印書的な第1主題

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すぐに第2ヴァイオリンが反行形で答える。
旋律の音高の並びが鏡のようにさかさまになったものを反行形といいます。
昔から作曲技法の基本の一つとしてあるもので珍しくもなんともないのではあるけれど、
聴き手としてはここに向き合う男女の姿を読み取るわけ・・

終曲最終場面のスケッチ。
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走り書きは
お前のために生き!
だったっけか・・

下の段は
アルムシ!
作者の嫁さんの名はアルマ。
さち子のことさっちゃんて呼ぶんだよみたいなのでしょ?
ここで重要なのは2案あるスケッチのどちらも最後のこのモチーフの上にアルムシ!と書いていること。
一時的な感情によって書かれた走り書きではなく冷静に狙って書いている。
曲中に現れるこの下降音型はお前を表しているんだよ!!
と強く訴えているわけ。
嫁さんは浮気ばっかりしていたようだけどツェムリンスキーに作曲を師事するような人で音楽的には非凡な人だ。
スコアを読む能力も一般人とは違ったと思う。
旦那はこれを嫁が読むことを念頭に置いて書いたかもしれない。
でもどうかなそれは凡人の一般的な考えだけどね、
作曲中ってそんな頭じゃないと思うんだよね。
嫁が見る見ないなんかどうでもいいの。
自分に向けてやってるはずだからこの時は。

まあしかし、音楽ってそんなにちっちゃいものじゃないと思うんだよね。
それはそれ、非常に大事だけどそこにばかりしがみついていなくていいと思う。
嫁に向けて書いたという側面は重要ではある反面、偉大な芸術家の行為のごく一部でしかないとも思う。
個人的な告白をはるかに超えるでっかい普遍的な人間の影と貫かれる愛みたいなものを聴いてもいいでしょう?


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檜のほか、でっかいすぎが何本も
これは本殿じゃなくて別な神様。

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そういえば富士山は女性の神様だという話を昔読んだ。
夫婦を見ると嫉妬して別れさせるとかなかったっけ?
うまくいってる夫婦を壊す神様がいたとしたらそれは神失格だろと思わないでもない。
私は嫁さんに逃げられたら終わりだと思う。
子供がいれば違うのかなと想像したりもするけれど、
自己否定感ばっかりの私には1人はつらくみじめだろうと思う。
この年齢になれば自動的に癌か何かを発症して最後へ加速していくかもしれない。


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これなんか3兄弟だ。
なんで俺が右端なんだよ・・とか
自分の生れついた場所に葛藤していたりするのかな?
のかな?

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すっごいよねこの根っこ。
おみくじを引いたら何をやっても駄目なようなことが書いてあって笑った。
大丈夫、そのつもりだから。
もう何年もそういうのしか出てこない。
待ち人というところに自分の子供を見たりしたけれどいつもこねーよと書いてあった。
でもあなたはもうだめで終わりですとは書いてなかったよ。
生きてりいればいつかいい日も来るでしょう。
頑張りましょう。

Tag:マーラー交響曲第10番  Trackback:0 comment:0 

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