コーヒーとマンドリンと
雨の日の午後、あるカフェに行ってみた。
街中、バイパス沿いにある雑居ビルの一階。
昔ブラック企業からにげて・・逃げてるわけだから持っていた携帯は解約し・・
その後正気に戻って地元に帰って来た時にこのビルにあった店で携帯を買った。
昔はよく小さな携帯屋が雑居ビルに入っていましたよね。あれももう20年前か。

出迎えてくれる声と笑顔でお店の印象がだいたい来まる。
そこには気取っていなくて落ち着いた居心地のよさそうな空間があった。
奥のソファーを進められて沈み込む。
記憶が間違っていなければここは以前消費者金融の自動貸付機が置いてある場所だったのだけれど、ある夜轟音とともにシャベルカーが突っ込み機械ごと引きずりだされてトレーラーで持っていかれちゃった。
近所の人は怖すぎて外を見ることもできなかったそうだ。すげーな。
いつからか珈琲の文字を見かけてはいたけれど普段の生活圏内すぎてまさかこんなところに素敵なカフェがあるとは思わず、コーヒー豆を売っている店だろうと思い込んでいた。

お客さんはだれもいない。
あー、いいね。今日はもうゆっくりしよう。
ご夫婦でやってるようにみえる。
よろしかったらお好きなカップを選んでくだされば・・の声で

単純に色に惹かれてすぐ選んだけれど嫁さんは何だか吟味してた。
そしてそのカップがすごく気に入ったようだ。
模様のとこがガラスか何か知らないけれど透けて・・
お砂糖とミルクはお使いになられますか?
はい・・
わかりました。まずはそのままの召し上がってみてください。
ちゃんと味わないと怒られそうだ。
俺は正直コーヒーなんかよくわからなくて砂糖とミルクが入ってないと飲めないお子様味覚なんだけど。

ワッフルにフルーツにチョコケーキにアイスがお皿に乗って・・それにほんとのコーヒーがついて安い。
いや、値段の話じゃなくてここもまた心意気で見せてくれる感じのお店かも。
なんて思いながら食っていると、
頼んだのとは違うブレンドのコーヒーを少しだけ持ってきてくれた。
飲んでみると確かに違う・・
この違いに何かを感じて萌えたりするとコーヒー趣味の世界に突入していくんでしょうね・・
マスターはコーヒー初心者にコーヒーの面白さを知ってほしいんだろうな。
昔、クラシック音楽に目覚めたときこの素晴らしい世界を誰かにも知ってほしい思ったことがある。
いろんな人に色々と訴えかけた記憶もあるけれど興味を持ってくれた人は誰もいなかった。
そんなのはいいとして、
他にお客さんは誰もいないのでマスターがいろいろ話して教えてくれる。
ボーとするつもりだったけどもうこうなったらと自分も仕事用よくしゃべる私を起動して対応する。
コーヒーについて豆の農場から焙煎の仕方からフィルタの違いからお客さんの好みから楽しみ方から入れる技術から・・いろいろ教えてもらって・・・私が感じたのは、音楽みたいだな。ということ。
あらゆる方向に無限の楽しみが広がっていてハマれば一生飽きないような世界があるんでしょうね。
音楽に似ていますよね・・なんて言ってみる。
え?・・何か楽器でもやられているんですか?
あ、いえ聴くだけです・・
こういう時だよね。
だったら黙ってろなんてどこからも聞こえないけれど謎の敗北感・・
場所を貸して、ここでいろいろな教室も催しているという。
マンドリン教室もやってますよ。
マンドリンかぁ・・
マンドリンはクラシックにはあんまり登場しないからか、あんまり惹かれないんだよなぁ。
でも全く出てこないわけでもない。
マーラーだと後期の交響曲3つで使っていて、大地の歌なんかは非常に効果的で感動的だ。
最初に使ったのは交響曲第7番。
二つある「夜の歌」となずけられた楽章の後半に。
夜の街、窓には美人、窓の下にはギターをもって美人に訴えかける男みたいなセレナード・・なんだけどそれそのままじゃなくてその形を利用したパロディでもあると思う。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=2800&v=qGkQmTAVK04
30年くらい前までマーラーの交響曲第7番は難解というより駄作みたいに言われていた。
それは受け手が曲に追いつけていなかっただけなんじゃないかと思うのだけど、自分もこの曲を聴いてみることを後回しにしていたため彼の曲の中で最後に知ることとなった。
曲を聴く前に本を読んで知識が先行した形での初聴きで、ギターとマンドリンが出てくるセレナードというこの楽章・・どんな素晴らしいソロがあるんだろう?とかワクワクして聴いた・・

で、最初の感想は
なんだこれ?
子供の頃年の離れた従兄のギターを触って怒られた。
子供がいたずらで弦を引っ掻いているような音が聴こえてくる・・おいいい加減にしろよと思った。
これオーケストレーションもかなり薄くしてあるけれど実演だとなかなか聞こえないかもしれませんよね。
でもそれくらいでちょうどいいんだと思う。なんとなくとちょっと聴こえてくるみたいな感じで・・
録音んだとはっきり聴こえるように拾ってあるから・・なんかこう・・
初めて生で聴いたときは指揮者の横にギターとマンドリンを座らせてコンチェルトみたいに・・客席は騒めいてたけど
でもそういう音楽じゃないだろと感じ逆にシラケる印象だったけど俺は。
ブーレーズという指揮者がシカゴ響を振ったCDは、この楽章をものすごい速さですっとばしています。
彼にとってはれがこの楽章の正しい姿なのかもしれないけれど、実はこの楽章嫌いなんじゃないかと思ったり。
そういう自分もどうにもこの楽章になじめない時期があり、その時はブーレーズの嫌だから早く終わって次いこみたいな演奏に助けられた。
この曲を初めて聴いたのはかなり遅かったけれどそれでももう25年以上か、今聴いてみればなかなかいいじゃない。
ブーレーズのじゃなくても。
ジャズがかかってたからマスターは音楽とかオーディオにも・・と思ったけどどうもそっちな人じゃないんじゃないかな。
陶芸にはかなり興味があるだけじゃなく、目利きの自信もあるんだと思う。
若い陶芸家を発掘してここでその作品をまた目利きなお客さんに売るみたいな・・
好きなことを商売にするというのは皆あこがれるけれど実際に軌道に乗せるのは並大抵のことじゃないだろうと思う。
敗北した人も何人かしってる。
でも夢に向かってやってみようとするところはすごいなと思います。
安全策というかそもそも何もしないべきだと思い込んで生きてきちゃったよ。
スペースを貸して教室レンタル・・はいろんな人が利用するらしい。
なんか、片付けの資格というのがあってそれを持ってる人が片付けの教室を開いたりとかもするそうだ。
商売になるかは別としてみんな自分の持ってるものを人に教えたくなるもんなんでしょうね。
そして楽器の体験レッスンの日程は決まった。
でもマンドリンじゃないです。
いきなりその日に仕事がかぶっていけないかも危機が押し寄せているけれどまあ何とかしてやる。
場所は変に遠いとこになっちゃったけどまあいいや。
一度しかない人生だしいろいろ乗り越えて、私も打ち込めるものを見つけたいなぁ・・

いい時間でした。
ありがとう。
街中、バイパス沿いにある雑居ビルの一階。
昔ブラック企業からにげて・・逃げてるわけだから持っていた携帯は解約し・・
その後正気に戻って地元に帰って来た時にこのビルにあった店で携帯を買った。
昔はよく小さな携帯屋が雑居ビルに入っていましたよね。あれももう20年前か。

出迎えてくれる声と笑顔でお店の印象がだいたい来まる。
そこには気取っていなくて落ち着いた居心地のよさそうな空間があった。
奥のソファーを進められて沈み込む。
記憶が間違っていなければここは以前消費者金融の自動貸付機が置いてある場所だったのだけれど、ある夜轟音とともにシャベルカーが突っ込み機械ごと引きずりだされてトレーラーで持っていかれちゃった。
近所の人は怖すぎて外を見ることもできなかったそうだ。すげーな。
いつからか珈琲の文字を見かけてはいたけれど普段の生活圏内すぎてまさかこんなところに素敵なカフェがあるとは思わず、コーヒー豆を売っている店だろうと思い込んでいた。

お客さんはだれもいない。
あー、いいね。今日はもうゆっくりしよう。
ご夫婦でやってるようにみえる。
よろしかったらお好きなカップを選んでくだされば・・の声で

単純に色に惹かれてすぐ選んだけれど嫁さんは何だか吟味してた。
そしてそのカップがすごく気に入ったようだ。
模様のとこがガラスか何か知らないけれど透けて・・
お砂糖とミルクはお使いになられますか?
はい・・
わかりました。まずはそのままの召し上がってみてください。
ちゃんと味わないと怒られそうだ。
俺は正直コーヒーなんかよくわからなくて砂糖とミルクが入ってないと飲めないお子様味覚なんだけど。

ワッフルにフルーツにチョコケーキにアイスがお皿に乗って・・それにほんとのコーヒーがついて安い。
いや、値段の話じゃなくてここもまた心意気で見せてくれる感じのお店かも。
なんて思いながら食っていると、
頼んだのとは違うブレンドのコーヒーを少しだけ持ってきてくれた。
飲んでみると確かに違う・・
この違いに何かを感じて萌えたりするとコーヒー趣味の世界に突入していくんでしょうね・・
マスターはコーヒー初心者にコーヒーの面白さを知ってほしいんだろうな。
昔、クラシック音楽に目覚めたときこの素晴らしい世界を誰かにも知ってほしい思ったことがある。
いろんな人に色々と訴えかけた記憶もあるけれど興味を持ってくれた人は誰もいなかった。
そんなのはいいとして、
他にお客さんは誰もいないのでマスターがいろいろ話して教えてくれる。
ボーとするつもりだったけどもうこうなったらと自分も仕事用よくしゃべる私を起動して対応する。
コーヒーについて豆の農場から焙煎の仕方からフィルタの違いからお客さんの好みから楽しみ方から入れる技術から・・いろいろ教えてもらって・・・私が感じたのは、音楽みたいだな。ということ。
あらゆる方向に無限の楽しみが広がっていてハマれば一生飽きないような世界があるんでしょうね。
音楽に似ていますよね・・なんて言ってみる。
え?・・何か楽器でもやられているんですか?
あ、いえ聴くだけです・・
こういう時だよね。
だったら黙ってろなんてどこからも聞こえないけれど謎の敗北感・・
場所を貸して、ここでいろいろな教室も催しているという。
マンドリン教室もやってますよ。
マンドリンかぁ・・
マンドリンはクラシックにはあんまり登場しないからか、あんまり惹かれないんだよなぁ。
でも全く出てこないわけでもない。
マーラーだと後期の交響曲3つで使っていて、大地の歌なんかは非常に効果的で感動的だ。
最初に使ったのは交響曲第7番。
二つある「夜の歌」となずけられた楽章の後半に。
夜の街、窓には美人、窓の下にはギターをもって美人に訴えかける男みたいなセレナード・・なんだけどそれそのままじゃなくてその形を利用したパロディでもあると思う。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=2800&v=qGkQmTAVK04
30年くらい前までマーラーの交響曲第7番は難解というより駄作みたいに言われていた。
それは受け手が曲に追いつけていなかっただけなんじゃないかと思うのだけど、自分もこの曲を聴いてみることを後回しにしていたため彼の曲の中で最後に知ることとなった。
曲を聴く前に本を読んで知識が先行した形での初聴きで、ギターとマンドリンが出てくるセレナードというこの楽章・・どんな素晴らしいソロがあるんだろう?とかワクワクして聴いた・・

で、最初の感想は
なんだこれ?
子供の頃年の離れた従兄のギターを触って怒られた。
子供がいたずらで弦を引っ掻いているような音が聴こえてくる・・おいいい加減にしろよと思った。
これオーケストレーションもかなり薄くしてあるけれど実演だとなかなか聞こえないかもしれませんよね。
でもそれくらいでちょうどいいんだと思う。なんとなくとちょっと聴こえてくるみたいな感じで・・
録音んだとはっきり聴こえるように拾ってあるから・・なんかこう・・
初めて生で聴いたときは指揮者の横にギターとマンドリンを座らせてコンチェルトみたいに・・客席は騒めいてたけど
でもそういう音楽じゃないだろと感じ逆にシラケる印象だったけど俺は。
ブーレーズという指揮者がシカゴ響を振ったCDは、この楽章をものすごい速さですっとばしています。
彼にとってはれがこの楽章の正しい姿なのかもしれないけれど、実はこの楽章嫌いなんじゃないかと思ったり。
そういう自分もどうにもこの楽章になじめない時期があり、その時はブーレーズの嫌だから早く終わって次いこみたいな演奏に助けられた。
この曲を初めて聴いたのはかなり遅かったけれどそれでももう25年以上か、今聴いてみればなかなかいいじゃない。
ブーレーズのじゃなくても。
ジャズがかかってたからマスターは音楽とかオーディオにも・・と思ったけどどうもそっちな人じゃないんじゃないかな。
陶芸にはかなり興味があるだけじゃなく、目利きの自信もあるんだと思う。
若い陶芸家を発掘してここでその作品をまた目利きなお客さんに売るみたいな・・
好きなことを商売にするというのは皆あこがれるけれど実際に軌道に乗せるのは並大抵のことじゃないだろうと思う。
敗北した人も何人かしってる。
でも夢に向かってやってみようとするところはすごいなと思います。
安全策というかそもそも何もしないべきだと思い込んで生きてきちゃったよ。
スペースを貸して教室レンタル・・はいろんな人が利用するらしい。
なんか、片付けの資格というのがあってそれを持ってる人が片付けの教室を開いたりとかもするそうだ。
商売になるかは別としてみんな自分の持ってるものを人に教えたくなるもんなんでしょうね。
そして楽器の体験レッスンの日程は決まった。
でもマンドリンじゃないです。
いきなりその日に仕事がかぶっていけないかも危機が押し寄せているけれどまあ何とかしてやる。
場所は変に遠いとこになっちゃったけどまあいいや。
一度しかない人生だしいろいろ乗り越えて、私も打ち込めるものを見つけたいなぁ・・

いい時間でした。
ありがとう。
Comment
訪問いつもありがとうございます。音に魅せられている人たちの奏でるその姿に、見入ってしまいました.....もう一人の自分を感じながら。いつもステキなブログですね。ありがとうございました。
「ブラック企業からにげて」に始まり、コーヒーのこと、クラシック音楽に興味を持った時のこと……。
いろいろ書いてあって、興味深かったです。
また読ませてもらいます。
ありがとうございました。
のら猫さっちゃんさん、こんばんは
コメントありがとうござます。
読んでいただけて嬉しいです。
ありがとうございいました。
yamashiro94さん、こんばんは
コメントありがとうございます。
少し恥ずかしいことも含め
読んでいただけて嬉しいです。
今後ともよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
いつもありがとうございます!
たまに行くハンバーガーショップのコーヒーはいささか量が多くて・・
やや小さ目なカップにほどよく注がれたコーヒーだと違和感なく飲めるんですが
そこでは少し前までウインナーコーヒーがあったのが数日前行ったらメニューから無くなっちゃってました。
今はもっぱらいきつけの喫茶のコーヒーオンリーです。
ももPAPAさん、おはようございます。
なるほどコーヒーって多ければいいものでもないですよね。
30代くらいまでは私もなんでも多いほうがお得だとか思っていましたが
やっと量じゃないんじゃないかと思うことがたまに出てきました。
行きつけの喫茶のコーヒーって素敵ですね。
ありがとうございました。