風と天国と地べたの人

あららそんなとこすわっちゃったらお尻濡れちゃうよ。
かえろうよー
この日、台風みたいな風が吹いてた。
動かないのはその風に当たるのが面白く、気持いいかららしい。
風にあおられた耳がパタパタして見てる方も面白いけど。
いつも散歩に行くとある家の前で立ち止まり高い庭を見上げる。わざと足音や鼻息を鳴らしてみたり・・
その家の犬が姿を見せなくなってもうかなり経つ。
あんなに狂ったように吠えあっていたけれど、ほんとは楽しかったのか。
あの犬もそうなのかもね、今はどこかから見ているでしょう。
風になってかまってくれたりしているかもしれない。

風が渡ってゆく・・
なでられる稲もなんだか気持ちがよさそう。
風ってどこから来てどこへ行くんだろう・・
この日、先日寂れた商店街の路地裏に発見した天ぷら屋へ行った。
途中寂れた狭い路地で何気ない光景にふと目が釘付けになる・・・なんで?・・・どっかでみた?
雑居ビルのどうでもいいしなんでもないその景色は、40年くらい前に何度も見ていたものだった事を思い出すのに一瞬の時間がかかった。
その時その場にいた人間と一言二言会話をかわしたような記憶も戻ってきて・・
懐かしいとは違う、妙な衝撃を受ける。
多分別なところにあった20年ほど前に一度行ったんだと思う天ぷら屋は安価なのに山盛りで、あんな場所なのにお客さんが絶えないのはわかる気がするし何だかいい話を見たような気がした。
帰り道、もう一度あの景色を見てみると・・・もう何も来ない。
記憶の奥にしまわれていたものは、泡みたいに表へあがってくるとはじけて消えちゃうみたいだ。
もうこの世にいないある人間に対しての私の感情や考えは人前で口に出しちゃいけないというやつだと思う。
突然みせられたあの景色と記憶はどこか遠くから
お前そんなことばかりじゃなかっただろう?
と伝えてきたのかと考えてみたり。
とはいえそれで自分のなかの何かが変わるということもない。
そんなもんじゃないだろう。
https://www.youtube.com/watch?v=qvyMbMek4hM&t=1140s
ピアニストであったベートーベンにとってピアノソナタは特別な音楽だったはず。
その最後の曲の最後の楽章はジャズみたいなのが出てきて驚かされるとその後空へむかってゆっくり登り始め、

風のように到達したそこはきっと天国なんじゃないかと思う。
その後に何か言ってるのを聞くと、ちゃんと自分というものを確立させてからでないとそこへは行けないような気もする。
自分は自分。
自分が不安や不満でつぶれそうになると誰かのせいにしたり貶めようとするのね。
多かれ少なかれ人ってそういうものなんだろう。
私がその対象にされたことも多々あったし、これからもあるんでしょう。
いろんな嫌な風にさらされなければならないと思う。
うちの犬みたいに、気持ちいいねーとかいって笑っていられたらいいよね。

♪~
Comment
unagiさん こんにちわ!
ベートーベンピアノソナタいいですよね。
本当にJAZZっぽい感じから、駆けのぼっていきますね。
びっくり。
私もその先は天上の世界の気がします。
モモちゃん風に吹かれて可愛いですね。
わたしも、心のなかで事実に色をつけて人のせいにして、
責任逃れで楽になろうとしてる自分に気づくことがありました。
周りにいるのがいいお友だちばかりだったら大丈夫だけど、
社会に出るといろんな人がいて、自分を守ろうとして
誰かのせいにしそうになったり・・・大人の世界は厳しいです。
本当は、世界は動物さんたちが感じているような場所なのにね。
私の愛犬プーキーも、苦手な犬がいて、すれ違ったり、その家の前を通るとリードに緊張感が伝わり、吠えたりし出します。
ひょっとしたら、違っていて、もう少し突っ込んで想いを寄せて見なければいけないのかもしれませんね、楽しいことなのかもなどと、”なるほど”でした。
さちさん、こんばんは
ベートーベンの何がすごいかというのは色々あると思いますけれど、
この曲を聞いていても何か色々思うと悪露がありますね。
それよりうちの犬を名前で呼んでもらえて、
犬はきっと喜んでいると思います。
どうもありがとうございました。
はなこさん、こんばんは
この世は色々難しいですね。
嫌になることもありますが、逃げるところもないし。
小さくてもいいことがあるとすればこの世なので、
なんとかうまくやっていけたらいいなと思います。
難しいけれど。
ありがとうございました。
浮雲さん、おはようございます。
そうですか、皆同じなんですね。
犬も人間もみんな色々複雑で深い世界があるんですよねきっと。
犬から教わることもあったり。
ありがとうございました。