澄んだ水と溜まった水

すれ違い不可能な道を進んできて結構山奥。
車を降りて参道を歩く。
あそこを超えると別な世界につながってたりして・・

水は命だから、それ自体が信仰の対象になるのね。
ここには竜が住むのだという。
雨が続くから今は結構な水量が。
世の中嫌なことばかりだ。みんな水に流してしまえば・・・
いやこんな清らかな流れに嫌なもん流しちゃいけないだろう迷惑だ。
でもあんまりずっと持ってると自分が腐ってくるし・・
拾わなけりゃいいんだけど不器用すぎるから泥はねみたいに飛んでくるのをよけきれない。
嫌なことの沼みたいなのに腰までつからないと進めないようなところもあるし。
なにか普通とは違う張り詰めたような雰囲気に包まれていた。
天気も悪いし誰もいないだろうと思ってたら人がいて、家族連れの笑顔みたいなのが見えると場の緊張みたいなものが少し緩和される。

この山、外から見てると一面杉やヒノキの人工林みたいに見えるけれどそんなことはない深い森を持っているのね。
御幣があったり小さな社がいくつもあったりして神社みたいだけれど、

お線香を立てるわけだから・・
こんな山奥だけれど意外に立派な社務所とか、御幣も綺麗でしょっちゅう人の手が入っていると思う。
火は消されているけれどドラム缶の中からまだ煙が立ちのぼっていて、ついさっきまで関係者がいたことを教えてくれる。
地元の人たちが作った地元の人たちのための場や神様仏様だから、祈ったって俺は相手にされないんじゃないかと思ってた。
でも、そうじゃないんだよっていうのを感じたの。
どうやって感じたかは内緒。
世の中、思っているほど悪いものじゃないはず。
https://www.youtube.com/watch?v=VSi4HBFSGV8
またバルトーク。

拍子木みたいなシロフォンとかグリッサンドするティンパニとか、日本の神社みたいだ。
ハンガリーの人は日本人みたいに名字が名前の前にくるらしく、文化的な共通点が・・なんて思ったけれど地図を見るとオーストリアの隣でウィーンもすぐそこなのね。
すぐそこじゃないんだろうけど。
一度行ってみれば音楽を聴いて感じるものもガラッと変わったりするんだろう。
多分死ぬまで行かないと思うけれど。
今、小さな旅行も行けなくなってしまった。
理由を書くと頭のおかしい人の話になってくると思う。

澄んだお水。
飲んで行けばよかったか。
私の中の腐ったものを洗い流してくれたりして。
自分まで溶けて流れちゃったりして。
参道を歩き車へ戻ると不思議なことに結構な量の雨が降っている。
あそこにいる間は一滴の雨も感じなかったのに・・
そう言うとすかさず聞こえてくる
そんなこといくらでもあるだろ!
みたいなのもどっかへ流しちゃいたい。
別な道を車で下ってゆくと・・

こんなのあったっけ?
嫌なことや悲しいことを水に流すと、ああいうところにたまってすごいことになったりして。
昔そんな歌あったな。
嫌なことがあるのも生きていればこそ・・そんな無責任なきれいごとを並べてられるうちは幸せだから。
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