降り注ぐ天使の声 マーラー交響曲第3番

マーラー 交響曲第3番 第5楽章
3人の天使が美しい歌をうたい、その声は幸福に満ちて天上に響き渡り・・
だそうで児童合唱は高いところにおくというような指示があります。
高いところから声が降り注ぐ的な・・

面白いのはスコア上でも4つの鐘と天使の合唱がフルートより上、スコア最上段に置かれていることですね。
通常なら児童合唱は打楽器と弦楽器の間に置かれるはずで、入りきらなかったけど女性合唱はそこにあります。
楽譜の中でも天使の声は空の上から降り注いでいるんです。
この楽章はヴァイオリンが休んでいてよくあるレクイエムの1曲目なんかみたいですね。
きっとこれ宗教音楽(のパロディ?)のフォーマットなんですよねこれ・・
こういう、音楽の内容がスコア上に絵的に表れているシーンは面白いですね。
この交響曲は演奏時間が100分越えだったりしてとても長いうえに、この楽章の次に弦楽器主体の第6楽章が来きます。
その為にここでヴァイオリンを休ませる狙いというか設計なのかななんて考えたりもしますが、どうなんでしょうか?
オペラなんかだともっと長時間弾きっぱなしですか?ヴィオラはいいのかよとなっちゃいますか・・
ユーリ・テミルカーノフ指揮、読響を聴きに行ったときも児童合唱は最上段で歌っていました。
2階席だったので、上の方から聞こえる感はありませんでしたけど、意図みたいなものは伝わってきた・・
天使はほとんどずっと鐘の音を模してビン!バン!とか言っているんですが、最後の方で歌詞をもって高らかに歌う部分があります。ドイツ語なんて解らないだろう女の子(もちろん私も解りません)がけなげに歌っているのを見たとき突然涙がに出てしまった。
自分でびっくりして、歳食ったのかなーと思いながら聴きました。
感動ってどっからやってくるかわかんないもんだなぁ・・・
鐘はどこでたたいてたっけ?・・忘れちゃった・・・
よかったなーあの日・・
Comment
今晩は、“スケルツォ倶楽部”発起人です。「第3番 」第5楽章 ― 謎の“ヴァイオリン不在”について、いつか 拙ブログでも何処かでまとめようと思っていたことがあります。
少しこじつけがましいんですけど、マーラーの第5楽章は「天使たちが語る 」歌ですから それが降ってくる高い場所といえば、やはり天国からでしょう。では 天国にいないものといえば ? それは悪魔でしょう。マーラーは次なる交響曲「第4番 」のスケルツォ楽章では 調弦を狂わせた独奏ヴァイオリンを悪魔の化身として照明を当てることになります。ゲーテの「ファウスト 」やストラヴィンスキーの「兵士の物語 」に登場する悪魔たちの奏でる楽器が、まるで申し合わせたかのように「ヴァイオリン 」であることと それは無縁ではないように思えます。卓越した演奏技術と引き換えに「悪魔に魂を売った 」とされるタルティーニやパガニーニの奏でる楽器も もはやヴァイオリン以外には考えられません。
これに反して、その「第4番 」終楽章「天上の生活 」の原詩テキストには、当初「天国にはヴァイオリンがいっぱい 」という歌詞があったのだそうです。ホラ、矛盾してるぞ…なんて 騒がないでくださいね、わざわざマーラー自身が この歌詞の部分を抹消しているくらいですから、絶対に意識してはいたんでしょう。 以上、内容未消化なコメントで申し訳ありません、いつか まとめます… どうかご容赦を !
こんにちは
いつもありがとうございます。
発起人さんってお呼びしていいんでしょうか?・・
そういえば悪魔はよくバイオリンを弾いてますね。
笛じゃないんですね・・
これは面白い展開になってきました。
記事、期待して待っています。
よろしくお願いします。