ささくれにハチミツ
この日の昼食はでっかい街を通過中に入ってみた知らない小さなお店だった。
狭いカウンターのすぐ隣にはめ込まれた学生だろうかすごく若い男女の言動がいろいろと・・
昔自分が若かったころ、中年のサラリーマンがああでもないこうでもないと学生に難癖をつけているのを見ていろいろ大変なんだろうけど筋違いな八つ当たりだと思った。
表へ出しはしないけれど今自分がそうなっちゃってるのは、自分の今や若いころに満たされないものと不満を感じているからでしょう。
とは言え自分もあの若い子みたいになりたかったのかと自問するとあんなの嫌だと返ってきたりして。

どこへという考えもないまま田舎の方へ流れていくと天気は悪いなりに富士山がでてきて、おまえなにうだうだ考え事してんの?
気を取り直しスマホの地図上を探すと素敵なカフェを発見。レビューの数が極端に少ないのは逆に穴場なんじゃないのと盛り上がり行ってみれば今日に限って臨時休業。きてますねダメパターンみたいなの。
最初に見つかった近くにあるもう一軒はレビューが桁違いに多く、人間嫌いに火が入っちゃっている今は混雑してそうなお店にあまり行きたいと思えなかった。
さらに見つけた店を探し近くまで行ってみると巨大宗教施設の内部というか付近というかちょっとお呼びでないのかも。
観念してレビューいっぱいの店に行ってみる。

ビニールで囲われたテラス席みたいな中で若い人が何人かで歓声を上げている。
また学生か・・入ってうるさかったりするとちょっと嫌だなと思っちゃたのは内緒。
閉店したコンビニを改装したらしい外装に描かれている絵は今見るとのどかな・・でもこの時目に入った水色がハワイとかサーファーみたいなあの感じのように見えてしまいちょっと引きかける・・
店本体内には人影もなく落ち着いた客席がみえた。半分はショップか・・
入ってみると静かな店内と店員さんは親切でなんかちょっとほっとする。
にぎやかなテラス席はよく見ると中学生か小学生のグループで
子供なのか。
伊豆の踊子にこんなセリフなかったっけ?
勝手に持っていた流行風の店に今風の観光客がいっぱいいて・・というイメージは間違いだったことが解ってくる。
メニューを見ているとオーガニック系がたくさん・・酵素ジュースかぁ・・
はちみつ屋さんのカフェオレとか、はちみつ屋さんの‥等のもたくさん。
これにしなくちゃ・・・
寒いし、ほっとレモネードにしようか。

持ってきてくれたのはさっきと違う店員さん。
アカシアのはちみつを使ったレモネードと
紅茶のシフォンは有機農法で育てた・・・とかいろいろ説明してくれる。
ケーキに添えられた生クリームは牛乳じゃなくて豆乳で作った味だ。
へー、いつもの生クリームとは全然違う味だけどこれはこれで・・
レモネードはレモンの前にはちみつのあまく優しい香りが来る。
飲んでも優しいはちみつの味。
後ろに一人座っているお兄さんはコーヒーを口にした瞬間全世界の幸せに触れたような表情となり、そのまま寝ちゃった。
なんだあの癒し感・・すごいななんか。

虫がいるけど刺されたら薬があるから言ってねとう張り紙。
なんか優しいな。
気持ちがやさしくなるとあのちゃらちゃら光ってるのも
ああ綺麗だね。
と言えるようになってくる。
https://www.youtube.com/watch?v=vFQoNEb9hN4
コラール前奏曲の・・なんだっけ、BWV655
何時頃からか邦題を覚えたりしないで番号で覚えたりあの曲集のあれ・・くらいだったり。
トリオソナタみたいな3声の音楽は結構難しいんじゃないかと思うけれど、かわいらしい音楽は優しい光の粒が並んでるみたい。
結構たってからコラール旋律がでてくるとそのまま終わっちゃうんですよね。

生活も楽ではなかったようだし紙は貴重な物だったんでしょうバッハはものすごく詰めて情報/紙面積効率みたいなものを非常に高くとろうとする。
右端の小節なんか涙ぐましい詰め込み感だけど、でも見た目に美しいのがこの人の自筆譜の特徴でそれはそのまま聴いて感じる印象にも通じていると思う。
静かな店内で心がどんどん解きほぐされて・・というところに嫁さんの地雷ど真ん中なお客さんがあらわれた。
開いてる席はいっぱいあるのにすぐ後ろの席ではじまっちゃって・・
でも、踏ん張ろうとしたのか嫁さんのスイッチ入らなかった。
私はその心配で半分くらいは味わえずにただ食うみたいになっちゃったけど。
まあ、終わりよければよしでいいじゃない。
しばらくすればまた静かな店内が返ってくる。

電気も綺麗。
その時の気分がよければただの電柱の街灯だって綺麗だと思っちゃうから。
私、お店の印象ってその時周りにいた人の状況できまっちゃうとこが大きいのね。
人が沢山いると気が滅入る可能性が高まるとかダメ人間ですけれど、でもまあいいじゃない。
空いてそうな日の空いてそうな時間にいけばいいだけ。
そしてここは多分ほんとにいいお店。
小さなころに口内炎ができてるといって唇にはちみつを塗ってもらった覚えがかすかにあるけど、効果があるかどうかの前に塗られたそばから舐めてなくなっちゃってたと思う。
汚れて歪んだ中年の、ささくれちゃってる心にもはちみつが効くかもしれません。
狭いカウンターのすぐ隣にはめ込まれた学生だろうかすごく若い男女の言動がいろいろと・・
昔自分が若かったころ、中年のサラリーマンがああでもないこうでもないと学生に難癖をつけているのを見ていろいろ大変なんだろうけど筋違いな八つ当たりだと思った。
表へ出しはしないけれど今自分がそうなっちゃってるのは、自分の今や若いころに満たされないものと不満を感じているからでしょう。
とは言え自分もあの若い子みたいになりたかったのかと自問するとあんなの嫌だと返ってきたりして。

どこへという考えもないまま田舎の方へ流れていくと天気は悪いなりに富士山がでてきて、おまえなにうだうだ考え事してんの?
気を取り直しスマホの地図上を探すと素敵なカフェを発見。レビューの数が極端に少ないのは逆に穴場なんじゃないのと盛り上がり行ってみれば今日に限って臨時休業。きてますねダメパターンみたいなの。
最初に見つかった近くにあるもう一軒はレビューが桁違いに多く、人間嫌いに火が入っちゃっている今は混雑してそうなお店にあまり行きたいと思えなかった。
さらに見つけた店を探し近くまで行ってみると巨大宗教施設の内部というか付近というかちょっとお呼びでないのかも。
観念してレビューいっぱいの店に行ってみる。

ビニールで囲われたテラス席みたいな中で若い人が何人かで歓声を上げている。
また学生か・・入ってうるさかったりするとちょっと嫌だなと思っちゃたのは内緒。
閉店したコンビニを改装したらしい外装に描かれている絵は今見るとのどかな・・でもこの時目に入った水色がハワイとかサーファーみたいなあの感じのように見えてしまいちょっと引きかける・・
店本体内には人影もなく落ち着いた客席がみえた。半分はショップか・・
入ってみると静かな店内と店員さんは親切でなんかちょっとほっとする。
にぎやかなテラス席はよく見ると中学生か小学生のグループで
子供なのか。
伊豆の踊子にこんなセリフなかったっけ?
勝手に持っていた流行風の店に今風の観光客がいっぱいいて・・というイメージは間違いだったことが解ってくる。
メニューを見ているとオーガニック系がたくさん・・酵素ジュースかぁ・・
はちみつ屋さんのカフェオレとか、はちみつ屋さんの‥等のもたくさん。
これにしなくちゃ・・・
寒いし、ほっとレモネードにしようか。

持ってきてくれたのはさっきと違う店員さん。
アカシアのはちみつを使ったレモネードと
紅茶のシフォンは有機農法で育てた・・・とかいろいろ説明してくれる。
ケーキに添えられた生クリームは牛乳じゃなくて豆乳で作った味だ。
へー、いつもの生クリームとは全然違う味だけどこれはこれで・・
レモネードはレモンの前にはちみつのあまく優しい香りが来る。
飲んでも優しいはちみつの味。
後ろに一人座っているお兄さんはコーヒーを口にした瞬間全世界の幸せに触れたような表情となり、そのまま寝ちゃった。
なんだあの癒し感・・すごいななんか。

虫がいるけど刺されたら薬があるから言ってねとう張り紙。
なんか優しいな。
気持ちがやさしくなるとあのちゃらちゃら光ってるのも
ああ綺麗だね。
と言えるようになってくる。
https://www.youtube.com/watch?v=vFQoNEb9hN4
コラール前奏曲の・・なんだっけ、BWV655
何時頃からか邦題を覚えたりしないで番号で覚えたりあの曲集のあれ・・くらいだったり。
トリオソナタみたいな3声の音楽は結構難しいんじゃないかと思うけれど、かわいらしい音楽は優しい光の粒が並んでるみたい。
結構たってからコラール旋律がでてくるとそのまま終わっちゃうんですよね。

生活も楽ではなかったようだし紙は貴重な物だったんでしょうバッハはものすごく詰めて情報/紙面積効率みたいなものを非常に高くとろうとする。
右端の小節なんか涙ぐましい詰め込み感だけど、でも見た目に美しいのがこの人の自筆譜の特徴でそれはそのまま聴いて感じる印象にも通じていると思う。
静かな店内で心がどんどん解きほぐされて・・というところに嫁さんの地雷ど真ん中なお客さんがあらわれた。
開いてる席はいっぱいあるのにすぐ後ろの席ではじまっちゃって・・
でも、踏ん張ろうとしたのか嫁さんのスイッチ入らなかった。
私はその心配で半分くらいは味わえずにただ食うみたいになっちゃったけど。
まあ、終わりよければよしでいいじゃない。
しばらくすればまた静かな店内が返ってくる。

電気も綺麗。
その時の気分がよければただの電柱の街灯だって綺麗だと思っちゃうから。
私、お店の印象ってその時周りにいた人の状況できまっちゃうとこが大きいのね。
人が沢山いると気が滅入る可能性が高まるとかダメ人間ですけれど、でもまあいいじゃない。
空いてそうな日の空いてそうな時間にいけばいいだけ。
そしてここは多分ほんとにいいお店。
小さなころに口内炎ができてるといって唇にはちみつを塗ってもらった覚えがかすかにあるけど、効果があるかどうかの前に塗られたそばから舐めてなくなっちゃってたと思う。
汚れて歪んだ中年の、ささくれちゃってる心にもはちみつが効くかもしれません。
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