自転車と死んじゃいそうな人

連休もおしまいの頃、悶々としたものをぶつけるべく自転車で長い坂を登り続けヘロヘロになって止まっちゃったりしながらも思い出の場所へ着いた。たどり着けないだろうと思っていたし感慨深かいものがあった。
その時血の汚れだけじゃなく心に張り付いたぬめりが少し溶け出たような気がして気分が軽くなり、自転車いいなぁ・・いいなぁじゃなくてしばらく中断していた自転車通勤をいい加減再開しろってことか。
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このあたりは街全体が巨大な片勾配の上にあるので帰宅時はずっと登り勾配。
何故だか寒さのため自転車通勤を中断する前よりも足や息が軽い気がする。
良かったもう歳のせいで下り坂を落ち始めてるのかと思ってた。
きつかろうが疲れようが少しづつでも進んでれば前進む。はあはあいいながらやっとうちのそばまで来ると夕日と道端の花がきれいで。
ちょうど散歩をしていた犬が
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駆け寄ってきてしっぽを振ってくれる。
嬉しいよこっちも。

帰れば、
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ボンタンの花が今にもさく裂しそうだ。
今年はいつになくというか異常なほどたくさんの花をつけているけどなんだろうこれ?
ふと、以前別な樹が時期でないのに突然たくさんの花を咲かせたことを思い出す。
元気がなかった樹が花をつけたので一瞬喜びかけたけど違う。もう自分は生きられないと悟り実をつけ種を残そうとしているのだと思った。
なんとか助けようとしたつもりが追い込み枯らしてしまったのは私だ。
前の年、初めて一つだけ実をつけてくれたのを見てとてもうれしかった。
その実から種を取り植えてやればよかったけれどそれをしなかった。
なんでも気づいたときには遅く、もう取り返しはつかない。
このボンタンは多分この冬霜に当たらなかったのがよかったんだろう。
花がたくさん咲くのを楽しみにして。

別な日も自転車で帰ってくれば
道端、縁石に座り込み肩を落とすワイシャツのおっさん。
肩の落ちようが尋常でないため目が釘付けとなり・・
ふり返るとハンカチを鼻に当て激しく・・荒い息をしている様子はないので体調不良ではないだろう。
うれし泣きをしている可能性は考えにくく、どう見ても逆方向だろう。
体調を悪くしているのなら声をかけなきゃならないけれど、そういうのじゃないと思った。
なにがあったか知らないけれどみんな色々あるんだろう。
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夕日がきれい。

学生の頃、自転車できつい坂を登っていると道の反対側に息も絶え絶え倒れそうな顔のおっさんが目に入った。
当然すぐに駆け寄・・ることをせず私はそのまま通り過ぎ、それでいいのかと振り返れば人だかりができているのが見える。
どうなったかはわからないけれどそれより俺が見て見ぬふりをして逃げたことは間違いのない事実である。
いつか自分もその辺で倒れ虫の息になったりするかもしれない。
通りがかった人に助けを期待する瞬間が来るかはわからないけど、無視されたり指をさして笑われたりするかもしれない。
世の中や人間とはそういうものだという思いがあるけれど、その前にまず自分がそんな人間だった。
だったって過去形で書いているけど今ならちゃんとできるんだろうか?

また悪夢で目が覚めた。最近心に張り付いているぬめりみたいなものはこれだろう。
だけどもう死んじまうというような状況に比べてみればそんなもん犬のしょんべんみたいなものかもしれない。
起きるとなんでかマーラーの9番の冒頭あたりが頭の中で流れてた。
あの第1主題はベートーベンの「告別」から引用されていると昔指摘した人がいて、長年曲を理解するための重要な要素というか公然の事実みたいに言われていると思う。
けど私はぞれは全然違うと思ってる。
死、というものに強く魅かれその非情さ不条理さや恐怖を曲の中に織り込み続けてきた作曲家が、自身の死の恐怖に駆り立てられ書いた作品がこれ・・という事になっているけどそれも大きな間違いだと思っている。
彼がこの曲で言いたいのはそれじゃない。
こんなとこでそんなことを言ったってしょうがないだろうけど。

https://www.youtube.com/watch?v=mQO7XnL7oqs
この曲というか・・身をよじるような・・噛むと肉汁が染み出る様な・・・心・・・みたいなのから最も遠い気がするショルティーのマラ9を聞いてみたら意外なことにかなり良くて驚いたのももう何年も前か。
いつまでも古い盤なんか聴いてないで最新の演奏をどんどん聴きに行かないといけないと思いつつ、まだ当分いけない気もする。
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気の置けない人と何という事もなく長い時間語り合ったりすると心がスーッと軽くなる。間違いとは言え私も何度か経験させてもらった。
今は話し相手がブログの入力画面で・・
おまえ生きてて意味あるのか?
先程こんな声が聞こえ血がサーっと下がって寒気がした。
じゃあ死ねばいいんですか?
うるせーばか。

ここに書いたからショルティーのマラ9を聴いてみるとそこには素晴らしい世界と時間があった。
実際がどうかは知らないがこの指揮者もこの曲へなにがしかの思い入れがあるのではないかと思いながら・・
ありがとう。
誰とも通じなくていいから生きていきたいし死にたくない。

Tag:マーラー交響曲第9番  Trackback:0 comment:0 

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