雨音とたりない調べ

雨はいいね。
騒がしい世界を遠ざけてくれる気がするし、豪雨になると自分の楽器の音をかき消して練習し放題にしてくれるような気が。
スランプになりかけていたところからああでもないこうでもないとやって戻る糸口らしきものを発見出来るとぱぁーと世の中が明るくなったような気がする。
逆に、これ一つができないということで全自分がダメなような気がして真っ暗い気分でいることがあり、それはずっと昔から続いてきた。
つかんだと思ったら一瞬で消え、再びつかむまで半年くらいかかったりしていたものが4か月になり2か月になり・・2日になり2時間になり・・2分になってそもそも失わなくなったらそれができるという事なんでしょう。
普通の人、子供は5分とかそこらでできるようになるらしいけどね。

それで、今思うのは
ここでDCDなんて言ってみてもしょうがないけど
私は自分の体の状態を把握すること
それを記憶すること
それを文字に置き換えること
文字を体の状態に置き換えること
視覚的な情報を自分の体に反映させること
を行う能力が異常に低いか欠落していると思う。
アンブシャについて教わったり読んで得た言葉は自分の今感じているこうすると良いという内容と全然違ってた。
聞いたことの解釈も標準からすれば明後日な方向なんだろう、そのままやろうとすると絶対音が出ない変な方向へ驀進していく。
元々把握と記憶もできてないので過去と照らしてずれを認識・・とかそこも毎回違う明後日になちゃっているかもしれない。
おかしいと思ってやめればいいのに馬鹿正直に結果が得られないのは自分のせいだと同じことをやり続けようとしてしまい・・そこへなんでそんなことをやっているのか?指示に対して反抗するとは何事たという煽り・・昔はもっぱら暴力とつるし上げであったけれど・・がきてパニックへと導かれてゆく。
幼少期から動作を伴うあらゆることに対して繰り返されてきたその積み重ねによって形成されたのが自己否定と人間不信に凝り固まった私であったのだと思うけれど、長年なにがおこっているのかよくわかっていなくてただ何となく私はどうしようもない人間で・・とか思って生きてきちゃった。
周囲から非難や罵りが入ってしまうため断念逃避してしまい、小さな子供にできてが私にはできないままになっていることが本当にたくさんある。例えば・・の先を書いちゃったらおわりかなぁ・・
今日の練習は調子のいい状態を確保して進行し崩れる前に終えた。
そうはっきり記憶しているにもかかわらず、私の頭は自分でそれを今日も駄目だったという印象に書き換え憂鬱な気分で満たそうとしている。
日中いたところでも周囲の人間は自分を疎んじそれを態度として表し・・という記憶が何度も再生されているのだけど、殆ど40年近くこのあたまと付き合って来た経験からそれは勘違いというか頭が暴走し作る妄想だという事が自分でわかっている。
解ってるのに気分と考えは作られた自己否定の方に支配されてしまい・・
大丈夫。
ここにこんなことを書いて自分で読んだりしてみることで結構、ぐしゃぐしゃになっていた意識系が整理された。
楽器のレッスンも最初は、自分の人にばれてはいけないものがバレる的な強迫観念みたいなのが出て体が痙攣し制御不能になったりして自分で驚いた。
まるで幼児、いや実際俺は子供のままは止まっちゃってるんだなと思った。
蓋をして逃げてそれらを外へ見せないようにすることでここまで何とか生きてきたけど、構造は変わらないにしろたまって腐ってる膿をちゃんとみて洗ってから死にたいんだよなぁ。
https://www.youtube.com/watch?v=YCp5XC2rsEM
強い雨は楽器の音をかき消してくれて、弱い雨は音楽をゆっくりじっくり聴く時間をくれる。
この動画のじゃないけど久しぶりにフランクのヴァイオリンソナタを聴いて
明るい花の道を行くようなフィナーレの前に置かれた暗く孤独な第3楽章の語りは、

雨あがりの空みたいなピカデリー終止で次につなぐことをせず、真っ暗でどうにも動きようのない固定感の中に終わっていった。
待っていれば自然に明るくなるというものではない。
背負ったものは変えられないことを受け入れた先に、花は咲くのだ
と作曲者が思っているかは知らないけど、聴いててそう思った。

誰が何言ってようが関係なく5年でも10年でもかけてやってみればよかったんだろうけど、考えてみるとそうしてみたものは一つもない。
この歳になってやっと、それをしようと思ったの。
もう少し早く気づけてていればと思わなくもないけどそんなこと言ったってしょうがない。
どうしてこうなっちゃうんだろう?もっと違う人生があったはずなのにと思い続け終わっちゃった人生というのは嫌だ。

楽器出して音階やってたら嫁さんが空がきれいだよっていうから。
もっときれいな桃色だったけど写真にそれは写らなかった。
裏の蛍は今年も沈黙してる。
みると1匹だけがたった一回だけ光って、ここにいるんだよと教えてくれた。
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